GPTとは?話題のAIからPCの専門用語まで徹底解説

「GPT」という言葉を最近よく耳にしませんか? 実はこの言葉、文脈によって全く違う意味を持つことがあるんです。このページでは、初心者の方でも分かりやすく、それぞれの「GPT」について解説していきます。

1. AI・自然言語処理の「GPT」

現在最も注目されているのが、AI(人工知能)の分野で使われる「GPT」です。これは「Generative Pre-trained Transformer(ジェネレーティブ・プリトレインド・トランスフォーマー)」の略です。なんだか難しそうですが、3つのキーワードに分解すると理解しやすくなります。

  • Generative(生成する): 新しい文章や画像、アイデアなどをゼロから作り出す能力のことです。例えば、質問に答えたり、物語を書いたりすることができます。
  • Pre-trained(事前学習済み): モデルが公開される前に、インターネット上の膨大なテキストデータなどを読み込ませて、言語のルールや知識、文脈の理解の仕方をあらかじめ学習させてある、という意味です。この「事前学習」によって、非常に高いレベルで言語を操ることができます。
  • Transformer(トランスフォーマー): 2017年にGoogleが発表した画期的なニューラルネットワークのモデルです。文章の中のどの単語が他と関連が深いのか(Attention)を効率的に学習することで、長文の文脈を正確に理解する能力に優れています。

GPTの歴史と進化

GPTは、AIの研究開発企業であるOpenAIによって開発されました。

  • GPT-1 (2018年): 生成AIの可能性を示した最初のモデルです。
  • GPT-2 (2019年): パラメータ数を大幅に増やし、非常に自然な文章を生成できることで世界を驚かせました。
  • GPT-3 (2020年): さらに巨大なモデルとなり、APIが公開されたことで多くの開発者が利用できるようになりました。
  • ChatGPT (2022年11月): GPT-3.5をベースに対話形式に特化させたモデルで、その使いやすさから世界中に生成AIブームを巻き起こしました。
  • GPT-4 (2023年3月): より高度な推論能力や正確性を持ち、画像を入力として理解できるマルチモーダル機能も搭載されました。
  • GPT-4o (2024年): 応答速度が大幅に向上し、音声や画像の認識・生成能力がさらに強化されました。

何ができるの?

GPTモデルは非常に汎用性が高く、様々なタスクに応用されています。

  • 文章の作成、要約、翻訳
  • 質問への回答
  • プログラムコードの生成・デバッグ
  • データ分析
  • チャットボットによる対話

これらの技術は、ビジネスの効率化からクリエイティブな作業の補助まで、幅広い分野で活用が進んでいます。

2. パソコンの専門用語「GPT」

ITの世界には、もう一つ重要な「GPT」が存在します。それは「GUID Partition Table(GUIDパーティションテーブル)」の略で、パソコンのハードディスクやSSDなどの記憶装置(ストレージ)の領域をどのように分割・管理するかの規格の一つです。

昔から使われている「MBR(Master Boot Record)」という規格の後継として登場しました。

ポイント

パソコンのストレージ(HDDやSSD)を購入した際や、OSをインストールする時にこの「GPT」という形式を目にすることがあります。特に大容量のストレージを扱う上で欠かせない技術です。

MBRとの違い

GPTがなぜ必要になったのか、従来のMBRと比較すると分かりやすいです。

項目MBR (Master Boot Record)GPT (GUID Partition Table)
最大ディスク容量2TB (テラバイト) までほぼ無制限 (実質的には8ZBまで)
最大パーティション数最大4つ (プライマリパーティション)最大128個 (Windowsの場合)
起動システムBIOS (バイオス)UEFI (ユーイーエフアイ)
信頼性パーティション情報が1か所にしかなく、破損すると危険情報のコピーをディスクの末尾にも保持しており、破損に強い

現在市販されているほとんどのパソコンは、UEFIとGPTの組み合わせを採用しており、これにより大容量ストレージの利用やOSの高速起動が可能になっています。

3. 医療・健康診断の「GPT」

健康診断の結果などで「GPT」という項目を見たことがある方もいるかもしれません。これは肝機能を示す検査値の一つで、「Glutamic Pyruvic Transaminase(グルタミン酸ピルビン酸転移酵素)」の略です。

この酵素は主に肝臓の細胞に含まれており、肝臓に何らかの障害(例:肝炎、脂肪肝など)が起こり細胞が壊れると、血液中に漏れ出して数値が上昇します。

注意:現在は「ALT」が一般的

現在、国際的には「ALT(Alanine Aminotransferase、アラニンアミノトランスフェラーゼ)」という名称が標準的に使われています。健康診断の結果表などでは「ALT (GPT)」のように併記されていることが多いです。

まとめ

「GPT」という3文字には、全く異なる3つの意味がありました。

  1. Generative Pre-trained Transformer: 文章などを生成するAIの技術。
  2. GUID Partition Table: 大容量ディスクに対応するパソコンのパーティション形式。
  3. Glutamic Pyruvic Transaminase: 肝機能を示す医療検査値 (現在はALTが主流)。

どの意味で使われているかは、話している文脈から判断することが大切です。この解説が、皆さんの「GPT」への理解を深める助けになれば幸いです。

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