【初心者向け】MACアドレスとは?2つの意味をわかりやすく解説!

パソコンやスマートフォンを使っていると、「MACアドレス」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。しかし、「IPアドレスと何が違うの?」「実は2つの意味があるって本当?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。このブログでは、IT初心者の方でも理解できるように、MACアドレスの2つの意味をわかりやすく解説します。

MACアドレスの2つの意味

「MACアドレス」という言葉は、ITの分野で文脈によって全く異なる2つのものを指します。

  • Media Access Control Address: ネットワーク機器の識別番号
  • Message Authentication Code: データが本物かを証明する符号

これらは単に頭文字が同じ「MAC」であるだけで、全くの別物です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. ネットワーク機器の「住所」:Media Access Control Address

一般的に「MACアドレス」と言うと、こちらを指すことが多いです。これは、パソコンやスマートフォン、Wi-Fiルーターなどのネットワークに接続する機器に割り当てられた、世界に一つだけの識別番号です。 「物理アドレス」や「ハードウェアアドレス」と呼ばれることもあります。

よく比較されるIPアドレスがインターネット上の「住所」だとすれば、MACアドレスは機器そのものに刻印された「マイナンバー」のようなもの、とイメージすると分かりやすいでしょう。IPアドレスは環境によって変わることがありますが、MACアドレスは基本的に変わることはありません。

MACアドレスの仕組み

MACアドレスは、通常「00:1A:2B:3C:4D:5E」のように、16進数の12桁で表現されます。この12桁の数字は、前半と後半で意味が分かれています。

前半6桁 (24ビット)後半6桁 (24ビット)
OUI (Organizationally Unique Identifier)
どのメーカーが作った機器なのかを示す識別子です。 IEEEという国際的な機関が管理しており、ここを見れば製造メーカーがわかります。
固有製造番号
メーカーが製品一つ一つに割り当てる、重複しない番号です。

この仕組みにより、MACアドレスは世界中で重複しない一意の番号となっています。

MACアドレスの確認方法

お使いのパソコンのMACアドレスは、簡単なコマンドで確認できます。

コマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを入力します。

ipconfig /all

「物理アドレス」と表示されているのがMACアドレスです。

MACアドレスとプライバシー

MACアドレスは機器固有の番号であるため、特定の場所でWi-Fiに接続すると、その機器がいつそこにあったかを追跡される可能性があります。このようなプライバシー懸念から、近年ではMACアドレスをランダム化する機能が標準搭載されるようになりました。

例えば、Apple社のiOS 14 (2020年リリース)やGoogle社のAndroid 10 (2019年リリース)以降では、Wi-Fiに接続するたびに毎回異なるランダムなMACアドレスを自動的に使用する機能が導入されています。 これにより、ユーザーの追跡が困難になり、プライバシー保護が強化されています。

2. データの「拇印」:Message Authentication Code

もう一つのMACは「メッセージ認証コード(Message Authentication Code)」の略で、主にセキュリティの分野で使われる技術です。 これは、データが送受信の途中で改ざんされていないこと、そしてそのデータが間違いなく本人から送られたものであること(真正性)を証明するための短い情報(コード)を指します。

取引で使う契約書に押す「拇印」をイメージしてください。拇印があれば、その書類が本物であり、途中で誰かが書き換えていないことを証明できます。メッセージ認証コードも同様の役割を果たします。

どんな仕組み?

メッセージ認証コードは、メッセージ(データ)そのものと、送信者と受信者だけが知っている「共通鍵」という秘密の情報を元に、特殊な計算(ハッシュ関数など)によって生成されます。

  1. 送信者は、送りたいメッセージと共通鍵を使ってMAC値を計算し、メッセージに添付して送信します。
  2. 受信者は、受け取ったメッセージと自分が持っている共通鍵を使って、同じようにMAC値を計算します。
  3. 受信者が計算したMAC値と、送信者から送られてきたMAC値が一致すれば、データは改ざんされておらず、本物であると確認できます。

この仕組みは、安全な通信を実現するためのTLS/SSL(ウェブサイトのhttps通信など)や、ネットワーク通信を暗号化するIPsecなどで利用されています。

まとめ

今回は、「MACアドレス」という言葉が持つ2つの意味について解説しました。文脈によってどちらの意味で使われているかを見分けることが重要です。

Media Access Control AddressMessage Authentication Code
正式名称メディアアクセスコントロールアドレスメッセージ認証コード
目的ネットワーク機器の識別メッセージの改ざん検知と認証
別名物理アドレス、ハードウェアアドレスメッセージ認証符号
主な利用シーンWi-Fiや有線LANでの通信TLS/SSL、IPsecなどのセキュアな通信

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