[非エンジニア向け] パスワードリスト型攻撃って何? あなたのアカウントを守る方法

身近に潜むサイバー攻撃の脅威とその対策をわかりやすく解説します。

はじめに:他人事じゃない!パスワードリスト型攻撃

「パスワードリスト型攻撃」という言葉を聞いたことがありますか? 🤔 なんだか難しそう…と感じるかもしれませんが、実は私たちの身近なところで起きている、とても怖いサイバー攻撃なんです。

この攻撃は、私たちが普段使っているインターネットサービスのアカウント乗っ取りを目的としています。もしあなたのアカウントが乗っ取られてしまったら、個人情報が盗まれたり、勝手に買い物をされたり、友達になりすまして悪事を働かれたり…なんてことも起こりかねません!😱

この記事では、パスワードリスト型攻撃がどのようなものか、なぜ起きてしまうのか(対策不足とは何か)、そして私たち自身がどうすれば身を守れるのかを、専門的な知識がない方にも分かりやすく解説していきます。この記事を読んで、あなたの大切なアカウントを守るための知識を身につけましょう!💪

パスワードリスト型攻撃とは? 🤔

パスワードリスト型攻撃は、とってもシンプルな手口のサイバー攻撃です。

攻撃者は、まず、どこか別のサービスから漏洩したID(メールアドレスやユーザー名など)とパスワードの組み合わせの「リスト」を入手します。このリストは、過去にセキュリティ事故を起こしたサービスなどから、不正な手段で集められます。

次に、攻撃者はその入手した「リスト」を使って、別の様々なインターネットサービス(例えば、SNS、ネットショッピングサイト、オンラインバンクなど)に、片っ端からログインを試みます。

ポイント: 攻撃者は、あなたが特定のサービスで使っていたIDとパスワードの組み合わせを知っているわけではありません。どこかで漏れたIDとパスワードの「リスト」を使って、他のサービスでも同じ組み合わせが使われていないかを試しているのです。

もし、あなたがリストにあるIDとパスワードの組み合わせを、攻撃対象のサービスでも使い回していた場合…? そう、攻撃者はいとも簡単にあなたのアカウントにログインできてしまうのです!これが「パスワードリスト型攻撃」と呼ばれる理由です。🔑

なぜ攻撃が成功してしまうの? (対策不足について)

パスワードリスト型攻撃が成功してしまう最大の原因は、私たちユーザー側の「パスワードの使い回し」にあります。

たくさんのサービスで、覚えやすいからといって同じIDとパスワードの組み合わせを使っていませんか? これは非常に危険です!🙅‍♀️ たった一つのサービスから情報が漏洩しただけで、他のたくさんのサービスのアカウントも危険に晒されてしまうからです。

もちろん、サービス提供者側の対策不足も関係しています。例えば、

  • 何度もログインに失敗している怪しいアクセスを放置している
  • 不正ログインを防ぐための「二要素認証(※後述します)」を導入していない
  • 漏洩したことが知られているパスワードが使われていないかチェックしていない

といった場合、攻撃が成功しやすくなります。しかし、根本的な原因は、やはり「使い回されたパスワード」が悪用される点にあるのです。

補足:「脆弱性」という言葉には、大きく分けて二つの意味で使われることがあります。
  1. システムやソフトウェアの欠陥: プログラムの不具合など、技術的な問題点を指します。サービス提供者側が修正すべきものです。
  2. 対策や運用上の不備: パスワードの使い回しを許容してしまう状況や、不正アクセス検知の仕組みが弱いなど、設定やルール、仕組みの不十分さを指します。これにはユーザー側の意識や行動も含まれます。
パスワードリスト型攻撃における「対策不足」は、主に後者の意味合いが強く、特にユーザーによるパスワードの使い回しという「運用上の問題」が攻撃者に利用される点を指すことが多いです。

実際にあった怖い話:過去の事例 😨

パスワードリスト型攻撃は、残念ながら日本でも多くの企業やサービスで被害が発生しています。ここでは、その一部をご紹介します。(情報は報道時点のものです)

時期 被害を受けた可能性のあるサービス(例) 概要
2019年頃~ 大手キャリア決済サービス、フリマアプリ、SNSなど多数 多くのサービスで断続的にパスワードリスト型攻撃による不正ログインや不正利用の被害が報告されました。中には数千万円規模の不正送金被害が発生したケースもありました。
2020年9月 大手銀行の口座連携サービス パスワードリスト型攻撃により、連携先の銀行口座から不正な引き出しが行われる被害が発生しました。
継続的に発生 各種ECサイト、ポイントサービスなど 特定の時期だけでなく、常に様々なサービスが標的とされており、不正ログインによるポイントの不正利用や個人情報の閲覧などの被害が後を絶ちません。

これらの事例からもわかるように、パスワードリスト型攻撃は特定のサービスだけを狙うのではなく、あらゆるサービスが標的となりうる、非常に身近な脅威なのです。

私たちにできる対策:自分のアカウントを守ろう!🛡️

「じゃあ、どうすればいいの?」と思ったあなたへ。大丈夫です!私たちユーザーができる対策は、実はシンプルで効果的なものばかりです。

  • パスワードを使い回さない!
    これが一番重要です!サービスごとに違う、複雑なパスワードを設定しましょう。「でも、覚えられない…」という方は、次の方法も試してみてください。
  • パスワードマネージャーを活用する
    複雑なパスワードをサービスごとに自動生成し、安全に保管してくれるツールです。覚える必要がなくなり、安全性が格段に向上します。(例: 1Password, Bitwarden, 各OS標準機能など)
  • 推測されにくい、複雑なパスワードを設定する
    名前や誕生日、簡単な単語などは避け、大文字・小文字・数字・記号を組み合わせ、十分な長さ(最低でも12文字以上推奨)のパスワードにしましょう。
  • 二要素認証(多要素認証)を設定する
    ID/パスワードに加えて、SMS(ショートメッセージ)に送られてくる確認コードや、専用アプリが表示する一時的なコードなどを入力する認証方法です。もしパスワードが漏れても、この追加の認証がなければログインできないため、非常に強力な防御策となります。利用できるサービスでは必ず設定しましょう!
  • ログイン通知や利用履歴をこまめに確認する
    多くのサービスでは、ログインがあった時や、サービスが利用された時にメールなどで通知を送る機能があります。身に覚えのない通知がないか、定期的にチェックする習慣をつけましょう。
  • 使っていないサービスのアカウントは削除する
    もう使っていないサービスのアカウントが残っていると、そこから情報が漏洩するリスクがあります。不要なアカウントは整理しましょう。

私たちユーザーだけでなく、サービスを提供する企業側にも、パスワードリスト型攻撃を防ぐための様々な対策が求められています。

  • 二要素認証(多要素認証)の導入と推奨: ユーザーが利用できるように機能を提供し、利用を促します。
  • ログイン監視の強化: 短時間に大量のログイン試行がある、普段と違う国や地域からのアクセスがあるなど、不審なログイン試みを検知し、ブロックする仕組みを導入します。(例: WAF, 不正検知システム)
  • パスワードポリシーの強化: 簡単すぎるパスワードを設定できないようにしたり、定期的な変更を推奨したりします。
  • 漏洩パスワードリストとの照合: 既知の漏洩パスワードリストに含まれるパスワードが使われていないかチェックし、該当する場合はユーザーに変更を促します。
  • CAPTCHAの導入: 「私はロボットではありません」のような認証を導入し、プログラムによる自動的なログイン試行を防ぎます。
  • ユーザーへの注意喚起と教育: パスワードの使い回しの危険性や、二要素認証の重要性をユーザーに継続的に伝えます。

これらの対策がしっかり行われているサービスを選ぶことも、私たち自身を守る一つの方法と言えるでしょう。🛡️

まとめ:油断大敵!今すぐ対策を始めよう!