[PHPのはじめ方] Part2: PHPのインストールとXAMPP/MAMPの利用

はじめに:なぜ開発環境が必要なの?

PHPでWebアプリケーションを作るには、まずPHPが動作する環境を自分のコンピューターに用意する必要があります。この環境のことを「開発環境」と呼びます。

PHPのプログラムは、Webサーバー(例: Apache)上で実行され、その結果がブラウザに表示されます。また、データベース(例: MySQL)と連携することもよくあります。これらのソフトウェアを個別にインストールして設定するのは少し大変です…😅

そこで登場するのが、XAMPP(ザンプ)MAMP(マンプ)といった統合開発環境パッケージです!これらを使えば、PHP、Webサーバー、データベースなどをまとめて簡単にインストールできます。初心者の方には特におすすめの方法です✨

PHPを直接インストールする方法もあるけれど…

PHPは公式サイトからダウンロードして、手動でインストールすることも可能です。

  • Windows: 公式サイトからインストーラーまたはzipファイルをダウンロードして設定します。
  • macOS: Homebrewなどのパッケージマネージャーを使うと比較的簡単にインストールできます。brew install php のようなコマンドを実行します。
  • Linux: 各ディストリビューションのパッケージマネージャー(apt, yumなど)を使ってインストールするのが一般的です。sudo apt install phpsudo yum install php のようなコマンドです。

しかし、PHP本体だけでなく、Webサーバーとの連携設定なども必要になるため、初学者の方には少しハードルが高いかもしれません。そのため、このコースではXAMPPまたはMAMPの利用を推奨します。

XAMPPとは? 🤔

XAMPPは、Webアプリケーション開発に必要なソフトウェアをまとめた、無料で使えるパッケージです。名前の由来は以下の通りです。

  • X: クロスプラットフォーム(Windows, macOS, Linuxに対応)
  • A: Apache(Webサーバー)
  • M: MariaDB(MySQLから派生したデータベース)
  • P: PHP
  • P: Perl(プログラミング言語、最近は含まれない場合もある)

XAMPPを使えば、これらのソフトウェアを一括でインストールし、簡単な操作で起動・停止できます。

  1. XAMPP公式サイト にアクセスし、お使いのOSに対応したインストーラーをダウンロードします。最新版のPHPが含まれているバージョンを選びましょう。
  2. ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールを進めます。基本的にはデフォルト設定のままで大丈夫です。
  3. インストールが完了したら、XAMPPコントロールパネルを起動します。
  4. コントロールパネルから「Apache」と「MySQL」の「Start」ボタンをクリックして、サーバーを起動します。

これでXAMPPを使った開発環境の準備は完了です! 🎉

MAMPとは? 🤔

MAMPもXAMPPと同様に、Web開発に必要なソフトウェアをまとめたパッケージです。元々はmacOS向けでしたが、現在はWindows版も提供されています。

  • M: macOS (または My: Windows版の場合)
  • A: Apache(Webサーバー、Nginxも選択可能)
  • M: MySQL(データベース)
  • P: PHP

MAMPには無料版と高機能な有料版(MAMP PRO)があります。初学者の方は無料版で十分です。

  1. MAMP公式サイト にアクセスし、お使いのOSに対応した無料版のインストーラーをダウンロードします。
  2. ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールを進めます。
  3. インストールが完了したら、MAMPアプリケーションを起動します。
  4. MAMPのウィンドウにある「Start Servers」(または「サーバーを起動」)ボタンをクリックして、サーバーを起動します。

これでMAMPを使った開発環境の準備も完了です! 🙌

XAMPP vs MAMP:どちらを選ぶ? ⚖️

どちらもPHPの開発環境を簡単に構築できる便利なツールですが、いくつかの違いがあります。

項目 XAMPP MAMP (無料版)
対応OS Windows, macOS, Linux macOS, Windows
主なWebサーバー Apache Apache, Nginx
主なデータベース MariaDB (MySQL互換) MySQL
インターフェース コントロールパネル形式 シンプルなウィンドウ形式
その他 Perlなども含む場合がある 有料版(PRO)で機能拡張可能

基本的には、お使いのOSに合わせて選ぶのが良いでしょう。

  • Windowsユーザー: XAMPPが伝統的に多く使われていますが、MAMPも選択肢になります。
  • macOSユーザー: MAMPがシンプルで人気がありますが、XAMPPも問題なく利用できます。
  • Linuxユーザー: XAMPPが利用できますが、OSのパッケージマネージャーで個別にインストールする人も多いです。

どちらを選んでも、PHPの学習を進める上では大きな違いはありませんので、好みで選んで大丈夫です!😊

インストール後の確認:PHPが動くか試してみよう!🔧

XAMPPまたはMAMPをインストールし、Apacheサーバーを起動したら、PHPが正しく動作するか確認してみましょう。

  1. ドキュメントルートを探す: Webサーバーが公開するファイル置き場(ドキュメントルート)の場所を確認します。
    • XAMPPの場合: 通常、インストールフォルダ内の htdocs というフォルダです。(例: C:\xampp\htdocs/Applications/XAMPP/htdocs/
    • MAMPの場合: 通常、インストールフォルダ内の htdocs というフォルダです。(例: /Applications/MAMP/htdocs/) MAMPの設定画面で変更も可能です。
  2. テストファイルを作成する: テキストエディタ(VSCodeなど)を開き、以下の内容でファイルを作成します。ファイル名は info.php としましょう。
    <?php
    phpinfo();
    ?>
  3. ファイルを配置する: 作成した info.php ファイルを、手順1で見つけたドキュメントルート(htdocs フォルダ)の中に保存します。
  4. ブラウザでアクセスする: Webブラウザを開き、アドレスバーに http://localhost/info.php と入力してアクセスします。(MAMPの設定によってはポート番号が必要な場合があります。例: http://localhost:8888/info.php
  5. 結果を確認する: PHPのバージョンや設定情報がずらっと表示されれば成功です!🎉 これでPHPコードを実行する準備が整いました。

もしエラーが表示されたり、info.php の内容がそのまま表示されたりする場合は、XAMPP/MAMPのApacheサーバーが正しく起動しているか、ファイルの設置場所が間違っていないかなどを確認してみてください。

まとめ 🥳

お疲れ様でした!これであなたのコンピューターにPHPの開発環境が整いました。XAMPPやMAMPを使えば、複雑な設定なしに、すぐにPHPプログラミングを始めることができますね。

いよいよ次は、最初のPHPスクリプトを書いて、Webページに文字を表示させてみましょう!「Step 1: 最初のPHPスクリプト:Hello World」に進んでください。