Fortranプログラムの骨格と、読みやすいコードを書くためのコメントの使い方を学びましょう。
Fortranプログラムは、特定の構造に従って記述されます。ここでは、最も基本的なプログラムの形と、コード内に説明を加えるコメントの書き方について説明します。
基本的なプログラム構造
Fortranのプログラムは、一般的に以下の要素で構成されます。
- PROGRAM文: プログラムの開始を示し、プログラム名を指定します。省略することも可能ですが、付けることが推奨されます。
- 宣言部: プログラム内で使用する変数や定数の型などを宣言します。
- 実行部: 実際の計算や処理を行う文を記述します。
- END PROGRAM文: プログラムの終了を示します。PROGRAM文で名前を指定した場合、同じ名前を記述します。
簡単な例を見てみましょう。
program my_first_program ! プログラムの開始 (名前: my_first_program)
implicit none ! 暗黙の型宣言を無効にする (推奨)
! --- 宣言部 ---
integer :: number ! 整数型の変数 number を宣言
! --- 実行部 ---
number = 10 ! 変数 number に 10 を代入
print *, 'Number is: ', number ! number の値を出力
! --- プログラム終了 ---
end program my_first_program ! プログラムの終了
💡 implicit none
implicit none
は、Fortranの古い慣習である「暗黙の型宣言」(変数名の最初の文字によって型が決まるルール)を無効にするための重要な文です。これを記述することで、使用する変数はすべて明示的に宣言する必要があり、予期せぬエラーを防ぐのに役立ちます。現代的なFortranプログラミングでは、implicit none
を記述することが強く推奨されています。
このプログラムは、my_first_program
という名前で始まり、整数型の変数 number
を宣言し、それに 10
を代入して画面に出力し、end program
で終了します。
Fortranは大文字と小文字を区別しません。つまり、PROGRAM
, program
, Program
はすべて同じものとして扱われます。ただし、コードの読みやすさのため、一貫したスタイル(例えば、キーワードは小文字、変数名は大文字で始めるなど)で書くことが推奨されます。
コメントの書き方
コメントは、プログラムの動作には影響を与えませんが、コードの特定の部分が何をしているのかを説明したり、後でコードを見返すときや他の人が読むときに理解を助けるために非常に重要です。🧐
Fortranには、主に2種類のコメントの書き方があります。
-
自由形式 (Free Form) のコメント:
感嘆符!
を使う方法です。!
からその行の終わりまでがコメントとして扱われます。行の途中からでもコメントを開始できます。現代のFortran (Fortran 90以降) では、こちらの自由形式が標準的で推奨されています。! この行全体がコメントです program calculate_area implicit none real :: radius, area ! 半径と面積を格納する実数型変数 real, parameter :: pi = 3.14159 ! 円周率を定数として定義 radius = 5.0 ! 半径に値を代入 area = pi * radius**2 ! 面積を計算 (ここもコメントです) print *, 'Area = ', area end program calculate_area
-
固定形式 (Fixed Form) のコメント:
古いFortran (主にFortran 77以前) で使われていた形式です。行の1列目にC
または*
を書くと、その行全体がコメントになります。この形式は、特定の列(カラム)に意味がある書き方と関連しています(例: 文は7列目以降に書くなど)。C THIS ENTIRE LINE IS A COMMENT IN FIXED FORM * THIS IS ALSO A COMMENT LINE IN FIXED FORM program old_style C Variable declaration integer count C Executable part count = 10 write(6,*) 'Count is: ', count stop end
⚠️ 固定形式について
固定形式は、パンチカードを使っていた時代の名残であり、現代のプログラミング環境には適していません。新しいコードを書く際には自由形式を使用し、既存の古いコードを扱う場合にのみ固定形式に遭遇する可能性があります。ファイル拡張子が
.f
や.for
の場合は固定形式、.f90
,.f95
,.f03
,.f08
などの場合は自由形式で書かれていることが多いです(ただし、コンパイラの設定で変更可能です)。
まとめ
今回は、Fortranプログラムの基本的な構造とコメントの書き方を学びました。
- プログラムは
program
文で始まり、end program
文で終わる。 - 変数を使う前に宣言部で型を定義する (
implicit none
の使用を推奨)。 - 実際の処理は実行部に記述する。
- コメントは
!
を使って記述する (自由形式)。
これらの基本を押さえて、読みやすく、理解しやすいFortranコードを書いていきましょう! 🎉
参考情報
- Fortran 入門 (日本 NAG): https://www.nag-j.co.jp/fortran/入門.html
- Free vs. Fixed Formats (People at University of Oslo): https://folk.uio.no/martinbi/FYS1120/notes_f90_basics_part2.pdf (PDFへのリンクの可能性あり)
- 【Fortran超入門】プログラム全体の流れ・文法の基礎 (Qiita): https://qiita.com/termoshtt/items/9e67664a2010f67251b9
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