aiohttp徹底解説:Pythonで非同期HTTP通信をマスターしよう!🚀

プログラミング

asyncioベースの強力なライブラリ、aiohttpの全貌に迫る

はじめに:aiohttpとは何か?🤔

現代のWebアプリケーション開発において、特に高いパフォーマンスやスケーラビリティが求められる場面では、「非同期処理」が重要なキーワードとなります。Pythonには、この非同期処理を実現するための標準ライブラリ asyncio があります。そして、asyncio をベースにして、非同期なHTTPクライアントとサーバーを構築するために開発された強力なライブラリが aiohttp です。

aiohttp は、Pythonエコシステムにおいて非同期HTTP通信を行う際のデファクトスタンダードとも言える存在です。従来の同期的なHTTPライブラリ(例えば requests)とは異なり、ネットワークI/Oなどの待機時間が発生する処理中に、プログラムが他のタスクを実行できるように設計されています。これにより、特に多くのHTTPリクエストを同時に処理する必要があるアプリケーション(Webスクレイピング、API連携、リアルタイム通信など)において、劇的なパフォーマンス向上が期待できます。

aiohttpの主な特徴 ✨

  • 非同期HTTPクライアント/サーバー: クライアントサイド(リクエスト送信)とサーバーサイド(リクエスト受信)の両方をサポート。
  • asyncioベース: Pythonの async/await 構文を利用し、直感的で効率的な非同期コードを記述可能。
  • 高パフォーマンス: ノンブロッキングI/Oにより、大量の同時接続を効率的に処理。
  • WebSocketサポート: クライアント/サーバー双方でWebSocketをネイティブサポートし、リアルタイム双方向通信を容易に実現。
  • ミドルウェアとプラグイン可能なルーティング: Webサーバー側でリクエスト/レスポンス処理のカスタマイズや、柔軟なURLルーティング設定が可能。
  • セッション管理と接続プーリング: ClientSession により、接続の再利用やクッキー管理を効率化。

このブログ記事では、aiohttp の基本的な使い方から、クライアント・サーバー双方の実装、さらにはベストプラクティスまで、幅広く徹底的に解説していきます。さあ、aiohttp の世界へ飛び込みましょう!

インストールとセットアップ 🛠️

aiohttp を使い始めるのは非常に簡単です。pipを使ってインストールできます。

pip install aiohttp

また、aiohttp はパフォーマンス向上のためのオプション依存関係を提供しています。特に、DNS解決を高速化する aiodns や、Brotli圧縮をサポートする Brotli (または brotlicffi) のインストールが推奨されます。これらをまとめてインストールするには、次のようにします。

pip install aiohttp[speedups]

これにより、aiohttp 本体に加えて aiodns, Brotli, cchardet (高速な文字コード検出ライブラリ) がインストールされ、より快適な開発体験と実行時パフォーマンスが得られます。

インストールが完了したら、Pythonのコードから import aiohttp して利用を開始できます。

aiohttpクライアントの基本操作 📡

aiohttp の最も一般的な用途の一つが、非同期HTTPクライアントとしての利用です。外部のWebサイトやAPIに対してリクエストを送信し、レスポンスを受け取ります。

aiohttp でクライアント操作を行う上で中心となるのが aiohttp.ClientSession です。これは、複数のリクエストにわたって接続プーリング、クッキー管理、デフォルトヘッダーの設定などを行うためのオブジェクトです。

⚠️ 注意: リクエストごとに新しい ClientSession を作成するのは非常に非効率であり、避けるべきです。通常、アプリケーション全体で一つの ClientSession を共有するか、接続先のサイトごとにセッションを作成するのがベストプラクティスです。

ClientSession は非同期コンテキストマネージャ (async with) を使って管理するのが一般的です。これにより、セッションが不要になった際にリソースが確実に解放されます。

最も基本的なHTTPメソッドであるGETリクエストを送信する例を見てみましょう。

import aiohttp
import asyncio

async def fetch_data(url):
    # ClientSessionを非同期コンテキストマネージャで作成
    async with aiohttp.ClientSession() as session:
        # GETリクエストを送信し、レスポンスを非同期コンテキストマネージャで受け取る
        async with session.get(url) as response:
            print(f"Status: {response.status}")
            print(f"Content-type: {response.headers.get('content-type')}")

            # レスポンスボディをテキストとして取得 (非同期操作)
            html_text = await response.text()
            print(f"Body (first 100 chars): {html_text[:100]}...")

            # レスポンスボディをJSONとして取得する場合 (非同期操作)
            # try:
            #     json_data = await response.json()
            #     print(f"JSON data: {json_data}")
            # except aiohttp.ContentTypeError:
            #     print("Response is not JSON")

            # レスポンスボディをバイト列として取得する場合 (非同期操作)
            # byte_data = await response.read()
            # print(f"Bytes data (first 50 bytes): {byte_data[:50]}...")

async def main():
    target_url = 'https://httpbin.org/get' # テスト用のURL
    await fetch_data(target_url)

if __name__ == '__main__':
    asyncio.run(main())

このコードのポイントは以下の通りです。

  • async with aiohttp.ClientSession() as session: でセッションを開始し、ブロックを抜けるときに自動的にクローズします。
  • async with session.get(url) as response: でGETリクエストを送信し、レスポンスオブジェクトを取得します。これもコンテキストマネージャを使うことで、リソースリークを防ぎます。
  • レスポンスのステータスコード (response.status) やヘッダー (response.headers) は同期的にアクセスできます。
  • レスポンスボディの取得 (response.text(), response.json(), response.read()) はネットワークI/Oを伴うため、await を使った非同期操作となります。これは、requests ライブラリがリクエスト時にボディ全体を読み込むのとは対照的です。

データをサーバーに送信するPOSTリクエストも同様に行えます。データは data 引数や json 引数で指定します。

import aiohttp
import asyncio
import json # JSONデータを扱うためにインポート

async def post_data(url, payload_dict=None, json_payload=None):
    async with aiohttp.ClientSession() as session:
        # フォームエンコードされたデータを送信する場合
        if payload_dict:
            async with session.post(url, data=payload_dict) as response:
                print(f"POST (form data) Status: {response.status}")
                response_text = await response.text()
                print(f"Response: {response_text[:200]}...") # レスポンスが長い場合があるので一部表示

        # JSONデータを送信する場合
        if json_payload:
            async with session.post(url, json=json_payload) as response:
                print(f"POST (JSON data) Status: {response.status}")
                try:
                    response_json = await response.json()
                    print(f"Response JSON: {response_json}")
                except aiohttp.ContentTypeError:
                    response_text = await response.text()
                    print(f"Response Text: {response_text[:200]}...")

async def main():
    target_url = 'https://httpbin.org/post' # POSTテスト用のURL

    # フォームデータ
    form_payload = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2'}
    await post_data(target_url, payload_dict=form_payload)

    print("-" * 20)

    # JSONデータ
    json_data_to_send = {'name': 'aiohttp user', 'level': 99}
    await post_data(target_url, json_payload=json_data_to_send)


if __name__ == '__main__':
    asyncio.run(main())
  • フォームデータ (application/x-www-form-urlencoded) を送る場合は data 引数に辞書を渡します。
  • JSONデータ (application/json) を送る場合は json 引数に辞書やリストを渡します。aiohttp が自動的にJSON文字列にシリアライズし、適切な Content-Type ヘッダーを設定します。
  • 他のHTTPメソッド(PUT, DELETE, HEAD, OPTIONS, PATCHなど)も同様に session.put(), session.delete() のように対応するメソッドが用意されています。
  • タイムアウト設定: aiohttp.ClientTimeout を使ってリクエスト全体のタイムアウトや接続タイムアウトを設定できます。
    timeout = aiohttp.ClientTimeout(total=60) # 全体で60秒
    async with aiohttp.ClientSession(timeout=timeout) as session:
        # ... リクエスト処理 ...
  • ヘッダーのカスタマイズ: headers 引数でリクエストヘッダーを指定できます。
    headers = {'User-Agent': 'MyAwesomeClient/1.0', 'Accept': 'application/json'}
    async with session.get(url, headers=headers) as response:
        # ...
  • クエリパラメータ: URLに含める代わりに params 引数でクエリパラメータを指定できます。
    params = {'query': 'aiohttp', 'page': 1}
    async with session.get(url, params=params) as response:
        # ... urlは https://example.com?query=aiohttp&page=1 のようになる
  • エラーハンドリング: ネットワークエラーやサーバーエラーは aiohttp.ClientError やそのサブクラスとして発生します。try...except ブロックで適切に処理する必要があります。また、raise_for_status=TrueClientSession の初期化時に設定すると、4xx や 5xx のステータスコードで自動的に例外 (ClientResponseError) が発生します。
    async with aiohttp.ClientSession(raise_for_status=True) as session:
        try:
            async with session.get('https://httpbin.org/status/404') as response:
                 # ここには到達しない (raise_for_status=Trueのため)
                 pass
        except aiohttp.ClientResponseError as e:
            print(f"HTTP Error: {e.status} - {e.message}")
        except aiohttp.ClientConnectionError as e:
            print(f"Connection Error: {e}")
        except asyncio.TimeoutError:
            print("Request timed out")
  • ファイルのアップロード: data 引数にファイルオブジェクトや aiohttp.FormData を使ってファイルをアップロードできます。
  • プロキシ設定: proxy 引数でプロキシサーバーを指定できます。

aiohttpサーバーの構築 🖥️

aiohttp はクライアント機能だけでなく、非同期Webサーバーを構築するためのフレームワークも提供しています。小規模なAPIサーバーから、WebSocketを使ったリアルタイムアプリケーションまで、様々な用途に利用できます。

非常にシンプルな「Hello, world」を返すサーバーを作成してみましょう。

from aiohttp import web
import asyncio

# リクエストハンドラー (コルーチン)
async def handle_hello(request):
    # URLパスパラメータから 'name' を取得、なければ 'Anonymous'
    name = request.match_info.get('name', "Anonymous")
    text = f"Hello, {name}!"
    print(f"リクエスト受信: {request.path}, 応答: {text}")
    # web.Response オブジェクトを返す
    return web.Response(text=text)

# ルートテーブルを定義 (デコレータを使用する例)
routes = web.RouteTableDef()

@routes.get('/')
async def handle_root(request):
    print(f"リクエスト受信: {request.path}, 応答: Welcome!")
    return web.Response(text="Welcome!")

@routes.get('/hello') # /hello へのGETリクエスト
@routes.get('/hello/{name}') # /hello/John のようなパスパラメータ付きGETリクエスト
async def handle_dynamic_hello(request):
    name = request.match_info.get('name', 'Guest')
    text = f"Dynamic Hello, {name}!"
    print(f"リクエスト受信: {request.path}, 応答: {text}")
    return web.Response(text=text)

# アプリケーションを作成し、ルートを追加する非同期関数
async def create_app():
    app = web.Application()
    # ハンドラー関数を直接登録する方法
    # app.router.add_get('/', handle_root)
    # app.router.add_get('/hello', handle_dynamic_hello)
    # app.router.add_get('/hello/{name}', handle_dynamic_hello)

    # RouteTableDef を使って登録する方法
    app.add_routes(routes)

    print("アプリケーションの準備完了")
    return app

# サーバーを起動
if __name__ == '__main__':
    # アプリケーションの準備 (非同期関数を使う場合)
    # loop = asyncio.get_event_loop()
    # app = loop.run_until_complete(create_app())

    # 同期的にアプリケーションを作成する場合
    app = web.Application()
    app.add_routes(routes)

    print("サーバーを起動します (http://localhost:8080)")
    # アプリケーションを実行 (ホストとポートを指定可能)
    web.run_app(app, host='localhost', port=8080)

このコードを実行し、Webブラウザやcurlなどで http://localhost:8080/http://localhost:8080/hello, http://localhost:8080/hello/YourName にアクセスしてみてください。

サーバーコードの構成要素:

  • リクエストハンドラー: async def で定義されたコルーチンです。web.Request オブジェクトを引数として受け取り、web.Response (またはそのサブクラス、例: web.json_response) オブジェクトを返します。
  • web.Request オブジェクト: 受信したリクエストに関する情報(メソッド、パス、ヘッダー、クエリパラメータ、ボディなど)を保持します。
    • request.match_info: URLパスから抽出された動的な部分(例: {name})。
    • request.query: クエリパラメータ(例: ?page=1)を保持する多重辞書。
    • await request.text(), await request.json(), await request.post(): リクエストボディを非同期に読み取ります。
  • web.Response オブジェクト: クライアントに返すレスポンスを定義します。テキスト、ステータスコード、ヘッダーなどを設定できます。
  • web.Application: aiohttp Webアプリケーションの主要なエントリーポイントです。ルーティングテーブルやミドルウェアなどを管理します。
  • ルーティング: URLパスとHTTPメソッドをリクエストハンドラーに対応付けます。
    • app.router.add_get(), add_post() などで直接登録する方法。
    • web.RouteTableDef() を使い、デコレータ (@routes.get('/') など) でハンドラーを定義し、最後に app.add_routes(routes) でまとめて登録する方法。こちらの方がコードが整理しやすい場合があります。
  • web.run_app(): アプリケーションを指定されたホストとポートで起動し、リクエストの受付を開始します。

APIサーバーではJSON形式でデータを返すことが一般的です。web.json_response() を使うと簡単に実現できます。

from aiohttp import web

routes = web.RouteTableDef()

@routes.get('/api/data')
async def get_api_data(request):
    data = {'message': 'Success!', 'items': [1, 2, 3], 'version': '1.0'}
    print(f"リクエスト受信: {request.path}, 応答: JSONデータ")
    # 辞書を渡すと自動的にJSONに変換し、Content-Typeをapplication/jsonに設定
    return web.json_response(data, status=200)

async def create_app():
    app = web.Application()
    app.add_routes(routes)
    return app

if __name__ == '__main__':
    app = web.Application()
    app.add_routes(routes)
    web.run_app(app, port=8081) # 別のポートで起動

クライアントから送信されたPOSTデータを処理する例です。

from aiohttp import web
import json

routes = web.RouteTableDef()

@routes.post('/api/submit')
async def handle_post_data(request):
    try:
        # Content-Typeに応じてデータを取得
        if request.content_type == 'application/json':
            data = await request.json()
            print("受信したJSONデータ:", data)
            response_data = {'status': 'JSON received', 'your_data': data}
        elif request.content_type == 'application/x-www-form-urlencoded':
            data = await request.post() # 多重辞書として取得
            print("受信したフォームデータ:", dict(data)) # 表示用に通常の辞書に変換
            response_data = {'status': 'Form data received', 'your_data': dict(data)}
        else:
            # その他のContent-Typeの処理 (例: text/plain)
            text_data = await request.text()
            print("受信したテキストデータ:", text_data)
            response_data = {'status': 'Text data received', 'length': len(text_data)}

        return web.json_response(response_data, status=200)

    except json.JSONDecodeError:
        print("JSONデコードエラー")
        return web.json_response({'status': 'error', 'message': 'Invalid JSON format'}, status=400)
    except Exception as e:
        print(f"予期せぬエラー: {e}")
        return web.json_response({'status': 'error', 'message': 'Internal server error'}, status=500)


async def create_app():
    app = web.Application()
    app.add_routes(routes)
    return app

if __name__ == '__main__':
    app = web.Application()
    app.add_routes(routes)
    web.run_app(app, port=8082) # さらに別のポート

ミドルウェアは、リクエストがハンドラーに到達する前や、レスポンスがクライアントに送信される前に、共通の処理を挟み込むための仕組みです。認証、ロギング、エラーハンドリング、レスポンスの加工などに利用されます。

from aiohttp import web

# ミドルウェアファクトリ (関数またはコルーチン)
@web.middleware
async def simple_logging_middleware(request, handler):
    print(f"リクエスト開始: {request.method} {request.path}")
    # 次のミドルウェアまたはハンドラーを呼び出す
    response = await handler(request)
    print(f"レスポンス完了: {response.status}")
    # 必要であればレスポンスを加工することも可能
    response.headers['X-Processed-By'] = 'MyMiddleware'
    return response

async def hello(request):
    return web.Response(text="Hello from handler")

async def create_app():
    # ミドルウェアのリストを渡してアプリケーションを作成
    app = web.Application(middlewares=[simple_logging_middleware])
    app.router.add_get('/', hello)
    return app

if __name__ == '__main__':
    app = web.Application(middlewares=[simple_logging_middleware])
    app.router.add_get('/', hello)
    web.run_app(app, port=8083)

ミドルウェアはリストの順番に実行されます。

aiohttp はWebSocketによるリアルタイム双方向通信もサポートしています。チャットアプリケーションやライブアップデート機能などに活用できます。

from aiohttp import web, WSMsgType
import asyncio

routes = web.RouteTableDef()

# 接続中のWebSocketクライアントを保持するリスト
connected_websockets = []

@routes.get('/ws')
async def websocket_handler(request):
    ws = web.WebSocketResponse()
    # WebSocket接続の準備
    await ws.prepare(request)
    print('WebSocket接続が開かれました')
    connected_websockets.append(ws)

    # クライアントからのメッセージを非同期に待機・処理
    async for msg in ws:
        if msg.type == WSMsgType.TEXT:
            if msg.data == 'close':
                print('クライアントからcloseメッセージ受信')
                await ws.close()
            else:
                print(f'メッセージ受信: {msg.data}')
                # 他の接続クライアントにブロードキャスト
                broadcast_message = f"他のユーザーより: {msg.data}"
                for client_ws in connected_websockets:
                    if client_ws != ws and not client_ws.closed:
                        try:
                            await client_ws.send_str(broadcast_message)
                        except ConnectionResetError:
                            print("ブロードキャスト中に接続がリセットされたクライアントあり")
                        except Exception as e:
                             print(f"ブロードキャスト中にエラー: {e}")

                # 送信元にも応答
                await ws.send_str(f'あなたが送信: {msg.data}')

        elif msg.type == WSMsgType.ERROR:
            print(f'WebSocket接続エラー: {ws.exception()}')

    # 接続が閉じたときの処理
    print('WebSocket接続が閉じられました')
    connected_websockets.remove(ws)
    return ws

async def create_app():
    app = web.Application()
    app.add_routes(routes)
    return app

if __name__ == '__main__':
    app = web.Application()
    app.add_routes(routes)
    web.run_app(app, port=8084)

この例では、クライアントが接続するとリストに追加し、メッセージを受信すると他の接続中のクライアントにブロードキャストします。接続が閉じられるとリストから削除します。

aiohttp vs requests 🥊

PythonでHTTPリクエストを扱う際、aiohttp と並んでよく使われるのが requests ライブラリです。requests はそのシンプルさと使いやすさから「HTTP for Humans」と称され、多くの開発者に愛用されています。では、両者はどのように異なり、どちらを選ぶべきでしょうか?

主な違い

特徴aiohttprequests
プログラミングパラダイム非同期 (Async/Await)同期 (Blocking)
主要な目的高パフォーマンス、高並行性シンプルさ、使いやすさ
レスポンスボディの読み込み明示的な await response.text() 等が必要 (遅延評価)リクエスト時に自動読み込み (response.text 等でアクセス)
セッション管理ClientSession の利用が推奨・一般的requests.Session が利用可能だが、必須ではない
学習曲線非同期プログラミングの理解が必要なため、やや高い非常に低い、直感的
サーバー機能組み込みで提供なし (クライアント機能のみ)
WebSocketネイティブサポートサポートなし (別ライブラリが必要)
ユースケース例大量のAPIコール、Webスクレイピング、リアルタイムアプリケーション、高性能Webサーバー簡単なスクリプト、小〜中規模のAPI連携、同期的な処理で十分な場合

どちらを選ぶべきか?

  • requests を選ぶ場合:
    • シンプルさが最優先。
    • 非同期プログラミングに慣れていない、または必要ない。
    • 少数のHTTPリクエストを扱うスクリプトや、処理がブロックしても問題ない場合。
    • 既存の同期的なコードベースに組み込む場合。
  • aiohttp を選ぶ場合:
    • パフォーマンスと並行性が重要。
    • 大量のHTTPリクエストを効率的に処理する必要がある (例: Webクローラー、多数のAPIエンドポイントへの同時アクセス)。
    • ノンブロッキングI/Oが求められるアプリケーション (例: 高トラフィックなWebサーバー、WebSocketサーバー)。
    • 非同期処理 (asyncio) を活用したい、または既に使っているプロジェクト。

最近では、requests のAPIに似たインターフェースで同期・非同期の両方をサポートする HTTPX というライブラリも登場しています。requests からの移行や、両方のパラダイムを使い分けたい場合に検討する価値があります。

結論として、aiohttp はパフォーマンスとスケーラビリティを重視する場合に強力な選択肢ですが、その非同期の性質上、requests ほどのシンプルさはありません。プロジェクトの要件に合わせて適切なライブラリを選択することが重要です。

ベストプラクティスとヒント💡

aiohttp を効果的に使うためのいくつかのベストプラクティスとヒントを紹介します。

  • ClientSession の再利用: 前述の通り、リクエストごとにセッションを作成せず、可能な限り再利用しましょう。アプリケーション起動時に作成し、終了時にクローズするのが一般的です。
  • コンテキストマネージャ (async with) の活用: ClientSessionClientResponseasync with を使って管理し、リソースの解放漏れを防ぎましょう。
  • 適切なタイムアウト設定: 無限に待機するのを防ぐため、aiohttp.ClientTimeout を使って適切なタイムアウトを設定しましょう。
  • エラーハンドリングの徹底: ネットワークエラー (ClientConnectionError など)、サーバーエラー (ClientResponseErrorraise_for_status=True の場合)、タイムアウト (asyncio.TimeoutError) など、発生しうる例外を考慮し、try...except で適切に処理しましょう。サーバーサイドでは、予期せぬエラーがクライアントにそのまま漏洩しないように、汎用的なエラーハンドリングミドルウェアを導入することも有効です。
  • asyncio.gather による並行処理: 複数の独立した非同期タスク(例: 複数のURLへのリクエスト)を同時に実行したい場合は、asyncio.gather() を使うと効率的です。
    import aiohttp
    import asyncio
    
    async def fetch_one(session, url):
        async with session.get(url) as response:
            print(f"Fetched {url} with status {response.status}")
            return await response.text()
    
    async def main():
        urls = [
            'https://httpbin.org/delay/1', # 1秒遅延
            'https://httpbin.org/delay/2', # 2秒遅延
            'https://httpbin.org/delay/1'  # 1秒遅延
        ]
        async with aiohttp.ClientSession() as session:
            tasks = [fetch_one(session, url) for url in urls]
            # gatherで複数のコルーチンを並行実行
            results = await asyncio.gather(*tasks)
            print(f"All tasks completed. Got {len(results)} results.")
            # results[0] には最初のURLの結果、results[1]には2番目のURLの結果... が入る
    
    if __name__ == '__main__':
        asyncio.run(main())
    # このコードは約2秒強で完了するはず (同期的に実行すると1+2+1=4秒かかる)
  • コネクションプールの調整: デフォルトのコネクションプールサイズ (通常100) で問題ないことが多いですが、非常に多くの異なるホストに同時に接続する場合や、特定のホストへの接続数を制限したい場合は、aiohttp.TCPConnector をカスタマイズして ClientSession に渡すことができます。
    # 同時接続数を10に制限する例
    connector = aiohttp.TCPConnector(limit=10)
    async with aiohttp.ClientSession(connector=connector) as session:
        # ...
  • 開発モードの活用: 開発中は Python の開発モード (python -X dev) を有効にすると、asyncio のデバッグ機能が強化され、aiohttp も不正なレスポンスに対するチェックを厳格化するなど、問題の早期発見に役立ちます。
  • ドキュメントの参照: aiohttp は非常に高機能なライブラリです。公式ドキュメントには詳細な情報や多くの例が載っているので、積極的に参照しましょう。

まとめ 🎉

aiohttp は、Pythonで非同期HTTP通信を行うための強力で柔軟なライブラリです。asyncio をベースにしたノンブロッキングな設計により、従来の同期的ライブラリと比較して、特にI/Oバウンドなタスクにおいて優れたパフォーマンスとスケーラビリティを発揮します。

この記事では、以下の点について解説しました。

  • aiohttp の基本的な概念と特徴
  • インストール方法
  • クライアントとしての基本的な使い方 (GET, POST, セッション管理, エラーハンドリング)
  • サーバーとしての基本的な使い方 (ハンドラー, ルーティング, JSONレスポンス, ミドルウェア, WebSocket)
  • requests ライブラリとの比較と使い分け
  • 効果的に使うためのベストプラクティス

非同期プログラミングには多少の学習コストが伴いますが、aiohttp を使いこなせば、Webスクレイピング、APIクライアント、マイクロサービス、リアルタイムWebアプリケーションなど、様々な分野で高性能なPythonアプリケーションを構築できるようになります。ぜひ、あなたの次のプロジェクトで aiohttp を活用してみてください!💪

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