インターネット上のサービス、特に「クラウドサービス」を使うことが当たり前になってきましたね!とっても便利ですが、「ちゃんと動くのかな?」「急に止まったりしない?」と不安になることもあるかもしれません。
そんな不安を少しでも和らげるために、サービス提供会社とお客さんとの間で結ばれる「お約束」、それがクラウドサービスレベルアグリーメント(SLA)です。日本語では「サービス品質保証」とも呼ばれます。
このブログでは、クラウドSLAがどんなものなのか、初心者の方にもわかるように、やさしく解説していきます!😊
そもそもSLAってどんなもの?
SLA(Service Level Agreement)は、サービスを提供する会社(ベンダー)と、サービスを利用するお客さん(ユーザー)の間で結ばれる、サービスの品質に関する合意のことです。
どんなサービスを、どのくらいの品質で提供するのか、もしその約束を守れなかった場合はどうするのか、といった内容が具体的に書かれています。クラウドサービス以外にも、通信サービスやレンタルサーバー、データセンターなど、様々なITサービスで利用されています。
SLAがあることで、ユーザーは「このくらいの品質は保証されているんだな」と安心してサービスを利用でき、提供する側も「この品質は守らないといけない」という目標を持つことができます。お互いの認識のズレを防ぎ、無用なトラブルを避ける役割も果たします。
SLAには何が書かれているの?主要な項目を見てみよう!
SLAに含まれる内容はサービスによって異なりますが、一般的には以下のような項目が定められています。
- サービスの内容と範囲: どの機能やサービスがSLAの対象となるか。
- 稼働率(可用性): サービスが正常に利用できる時間の割合。これが一番よく目にする項目かもしれません。「月間稼働率99.9%以上」のように具体的な数値で示されます。
- 性能(パフォーマンス): データの処理速度や応答時間など。
- 障害時の対応: 障害が発生した場合の通知方法や、復旧までにかかる目標時間。
- セキュリティ: データの保護や管理に関する取り決め。
- サポート体制: 問い合わせへの対応時間や方法。
- SLA違反時のペナルティ(補償): 約束した品質レベルを下回った場合に、利用料金の減額や返金(サービスクレジット)など、どのような補償が行われるか。
「稼働率99.9%」ってどのくらい止まるの?🤔
SLAでよく出てくる「稼働率」。これは、サービスが利用可能な時間の割合を示す重要な指標です。「99.9%」と聞くと、ほとんど止まらないように感じますが、実際に計算してみると…?
稼働率の計算式は一般的に以下のようになります。
月間稼働率 (%) = (月間総稼動時間 - 累計障害時間) ÷ 月間総稼動時間 × 100
これを年間の停止時間に換算すると、以下のようになります。
稼働率 | 1年間の許容停止時間 (目安) | 1ヶ月 (30日) の許容停止時間 (目安) |
---|---|---|
99% | 約3.65日 (87.6時間) | 約7.2時間 |
99.9% | 約8.76時間 | 約43分 |
99.95% | 約4.38時間 | 約21分 |
99.99% | 約52.6分 | 約4.3分 |
99.999% | 約5.26分 | 約26秒 |
※注意: これはあくまで計算上の目安です。SLAの計算方法や対象期間はサービス提供会社によって異なる場合があります。
このように、「9」の数が増えるほど、許容される停止時間は劇的に短くなります。わずか0.09%の違いでも、年間にすると約79時間もの差になるのです!利用するサービスの重要度に合わせて、どの程度の稼働率が必要かを見極めることが大切です。
もしSLAが守られなかったらどうなるの?😱
万が一、サービス提供会社がSLAで約束した品質レベル(例えば稼働率)を達成できなかった場合、ペナルティが発生することが一般的です。
多くのクラウドサービスでは、利用料金の一部または全額の返金(サービスクレジットの提供)という形で補償が行われます。返金の割合は、SLAの未達成度合いに応じて段階的に設定されていることが多いです。
例えば、「月間稼働率が99.9%を下回ったら月額料金の10%を返金、99%を下回ったら25%を返金」といった具合です。
- SLA違反による返金を受けるためには、ユーザー自身が申請する必要がある場合が多いです。障害発生に気づかない、あるいは申請を忘れると補償を受けられない可能性があります。
- 補償はあくまで利用料金の減免が主であり、サービス停止によってユーザーが被った間接的な損害(逸失利益など)までは補償されないことがほとんどです。
- 計画メンテナンスや、ユーザー側の設定ミス、大規模な自然災害、第三者からの攻撃(DDoS攻撃など)が原因の停止は、SLAの適用除外となる場合があります。
過去には、大手クラウドサービス(AWS、Azure、GCPなど)でも大規模な障害が発生した事例があります。例えば、2019年8月にはAWSの東京リージョンで冷却システムの問題による大規模障害が発生し、多くのサービスに影響が出ました。また、自然災害(例:2016年のオーストラリアでの豪雨による停電)が原因でクラウドサービスが停止したこともあります。このような場合でも、SLAに基づく補償は規定の範囲内に限られることが一般的です。
初心者がSLAを気にするべき理由
「なんだか難しそう…」「個人で使う分には関係ないかな?」と思うかもしれません。しかし、初心者の方でもSLAを意識することにはメリットがあります。
- サービス選びの判断材料になる: 同じようなサービスでも、SLAの内容(特に稼働率やサポート体制)は異なります。SLAを確認することで、より信頼性の高いサービスを選ぶ手助けになります。
- 期待値を適切に設定できる: 「クラウドだから絶対止まらない」ということはありません。SLAを見ることで、どの程度の停止は起こりうるのかを理解し、過度な期待を防ぐことができます。
- 万が一の時に備えられる: もしサービスが停止した場合、SLAに基づいてどのような補償が受けられるのかを知っておくことで、冷静に対応できます。
無料プランなどではSLAが適用されないことも多いですが、有料サービスを利用する場合は、契約前にSLAの内容を確認しておくことをお勧めします👍
まとめ
クラウドSLAは、サービス提供会社とユーザー間の「サービス品質に関する約束事」です。
稼働率や性能、障害時の対応などが具体的に定められており、もし約束が守られなかった場合には、利用料金の減額などの補償が受けられることがあります。
クラウドサービスを選ぶ際には、料金や機能だけでなく、SLAの内容もしっかり確認して、安心して利用できるサービスを選びましょう!✨
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