初心者向けにXDR(Extended Detection and Response)をわかりやすく解説します!
はじめに:XDRって何? なぜ注目されているの?
最近、ニュースなどで「サイバー攻撃」という言葉を耳にする機会が増えましたよね?企業や組織を狙った攻撃は、年々巧妙化・複雑化しています。従来のセキュリティ対策だけでは、侵入を防ぎきれなくなってきているのが現状です。
そこで登場したのが、XDR (Extended Detection and Response) という新しいセキュリティの考え方・仕組みです!✨
XDRは、パソコンやサーバー(これらを「エンドポイント」と呼びます)だけでなく、ネットワーク、メール、クラウドサービスなど、組織内の様々な場所から情報を集めて分析し、怪しい動き(脅威)を素早く見つけ出して対応する統合的なセキュリティソリューションです。
たくさんの場所を監視することで、これまで見つけにくかった巧妙な攻撃の全体像を把握しやすくなり、被害を最小限に抑えることが期待されています。
XDRの主な機能を見てみよう!⚙️
XDRは、様々なセキュリティ機能を連携させて、より強力な防御を実現します。主な機能を見ていきましょう。
- 広範囲なデータ収集: エンドポイント、ネットワーク機器、クラウド環境、メールサーバーなど、様々な場所からログ(操作や通信の記録)やセキュリティに関する情報を集めます。
- データの相関分析: 集めた大量のデータをAI(人工知能)などが分析し、個々の情報だけでは気づきにくい攻撃の兆候や関連性を見つけ出します。これにより、攻撃の全体像を把握しやすくなります。
- 高度な脅威検出: AIや機械学習を活用して、未知のマルウェア(悪意のあるプログラム)や巧妙な攻撃パターンなど、従来の対策では見逃しがちだった脅威も検出します。
- インシデント対応の自動化・効率化: 脅威を検出した場合、事前に設定されたルールに基づいて、感染した端末をネットワークから隔離したり、不正な通信をブロックしたりといった対応を自動で行うことができます。これにより、迅速な対応が可能になり、セキュリティ担当者の負担も軽減されます。
- 脅威の可視化: 収集・分析した情報を分かりやすく表示し、どこで何が起きているのか、どのような攻撃を受けているのかを把握しやすくします。
これらの機能によって、サイバー攻撃の早期発見と迅速な対応を実現します。🚀
よく聞く「EDR」との違いは?🤔
XDRと似た言葉に「EDR (Endpoint Detection and Response)」があります。どちらも脅威を検知して対応する点は同じですが、監視する範囲が異なります。
以下の表で違いを確認してみましょう。
比較項目 | EDR (Endpoint Detection and Response) | XDR (Extended Detection and Response) |
---|---|---|
主な監視対象 | エンドポイント(PC、サーバーなど) | エンドポイント、ネットワーク、クラウド、メールなど組織全体 |
データ収集源 | エンドポイントのみ | 複数のセキュリティレイヤー(エンドポイント、ネットワーク、クラウドなど) |
分析の範囲 | エンドポイント内の活動 | 複数のレイヤーを横断した活動の相関分析 |
検知できる脅威 | エンドポイントを狙った脅威 | エンドポイント単体では検知しにくい、複数のレイヤーにまたがる巧妙な攻撃 |
目的 | エンドポイントの保護とインシデント対応 | 組織全体のセキュリティインシデントの統合的な検知と対応 |
簡単に言うと、EDRは「エンドポイント専門」、XDRは「組織全体の守備範囲をカバーするオールラウンダー」というイメージです。XDRはEDRの機能を包含し、さらに広範囲をカバーするソリューションと言えます。
XDRを導入するメリットは?✨
XDRを導入することで、企業や組織は以下のようなメリットを得られます。
- セキュリティの可視性向上: 様々な場所から情報を集めることで、組織全体のセキュリティ状況をより正確に把握できるようになります。どこにリスクがあるのか、攻撃がどこまで広がっているのかが分かりやすくなります。
- 検知精度の向上と早期発見: 複数の情報を組み合わせることで、単一の対策では見逃してしまうような巧妙な攻撃や未知の脅威をより高い精度で、より早く検知できるようになります。
- 迅速なインシデント対応: 脅威の検知から分析、対応までを自動化・効率化することで、インシデント発生時の対応時間を大幅に短縮できます。これにより、被害の拡大を防ぎます。
- セキュリティ運用の効率化と負荷軽減: 複数のセキュリティ製品のアラートを一元管理し、AIなどが分析して対応の優先順位付けを行うため、大量のアラートに埋もれることなく、重要な脅威に集中できます。これにより、セキュリティ担当者の運用負荷が軽減されます。
- ゼロトラストセキュリティの実現支援: 「何も信用しない」を前提にあらゆるアクセスを検証する「ゼロトラスト」という考え方を実現する上で、組織全体の状況を監視・分析できるXDRは重要な役割を果たします。
これらのメリットにより、企業はビジネスの継続性を確保し、重要な情報を保護することができます。🛡️
XDR導入を考える際のポイント💡
XDRは強力なソリューションですが、導入を成功させるためにはいくつか注意点があります。
- 目的の明確化: なぜXDRが必要なのか、どのような課題を解決したいのかを明確にしましょう。
- 既存システムとの連携: 現在使用しているセキュリティ製品やIT環境とスムーズに連携できるかを確認することが重要です。
- 運用体制の整備: XDRは高度なツールですが、そのアラートを分析し、最終的な判断を下すには専門的な知識が必要です。自社で運用するのか、専門のサービス(MDR: Managed Detection and Response)を利用するのか検討しましょう。
- アラートのチューニング: 導入初期は、誤検知(問題ないものを脅威として検知してしまうこと)が発生することもあります。自社の環境に合わせて、アラートのルールを調整(チューニング)していくことが重要です。
計画的に導入を進めることで、XDRの効果を最大限に引き出すことができます。👍
XDRとサイバー攻撃の事例(2020年)
具体的なXDRの活躍事例として、2020年に報告された大手製薬会社でのケースがあります。この事例では、エンドポイントのエージェント(監視プログラム)に問題が発生し、侵入の兆候が見逃される可能性がありました。
攻撃者は、検出を逃れるために巧妙な手口を使っていましたが、幸いにもネットワークの通信データを分析する機能(NTA: Network Traffic Analysis)を持つXDRソリューション(この事例ではCortex XDR)が、異常なドメイン名へのアクセスパターン(DGA: Domain Generation Algorithm)を検知しました。これは、マルウェアが指令サーバー(C2サーバー)と通信しようとする際によく見られる挙動です。
この事例は、エンドポイントだけでなくネットワークなど複数の層を監視するXDRの重要性を示しています。単一のセキュリティ対策だけでは見逃してしまう可能性のある脅威も、XDRによって多角的に検知し、対処できる可能性が高まります。🚨
まとめ
XDRは、巧妙化するサイバー攻撃に対抗するための新しいセキュリティ対策のアプローチです。エンドポイントだけでなく、ネットワークやクラウドなど、組織全体の様々な場所を監視・分析することで、脅威の早期発見と迅速な対応を実現します。
セキュリティ対策は難しく感じるかもしれませんが、XDRのような新しい技術を理解し、自社に合った対策を進めることが、大切な情報資産を守るために非常に重要です。💪
この記事が、XDRについての理解を深める一助となれば幸いです!😊
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