[非エンジニア向け] ウェブサイトの落とし穴?クロスサイトスクリプティング(XSS)をやさしく解説 🔍

用語解説

インターネットを使うのが当たり前の毎日ですが、ウェブサイトには見えない危険が潜んでいることもあります。「クロスサイトスクリプティング(XSS)」という言葉を聞いたことはありますか?なんだか難しそう…と感じるかもしれませんが、これはウェブサイトのセキュリティに関わる、とても身近で重要な問題なんです。このブログでは、専門的な知識がない方でも「クロスサイトスクリプティングってこういうことか!」と理解できるように、やさしく解説していきます。😊

クロスサイトスクリプティング(XSS)って何? 🤔

クロスサイトスクリプティング(XSS)とは、ウェブサイトの弱点(脆弱性:ぜいじゃくせい)を悪用して、悪意のあるプログラム(スクリプト)をウェブページにこっそり仕込む攻撃のことです。仕込まれた罠に気づかずに他のユーザーがそのページを開くと、その人のブラウザ上で悪意のあるプログラムが実行されてしまいます。

例えるなら、公共の掲示板に、見た目は普通のメモ書きに見えるけど、実は読んだ人を騙すような悪質な指示が書かれた紙を貼っておくようなものです。他の人がそのメモを見て、書かれている指示に従ってしまうと、予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

XSS攻撃の簡単な流れ 🚶➡️罠🕳️➡️😱

  1. 攻撃者が、ウェブサイトの入力フォーム(コメント欄や検索窓など)やURLに、悪意のあるプログラム(スクリプト)を仕込む。
  2. 何も知らない他のユーザーが、そのプログラムが仕込まれたページを閲覧する(または、罠が仕掛けられたリンクをクリックする)。
  3. ユーザーのパソコンやスマホのブラウザ上で、悪意のあるプログラムが実行されてしまう。
  4. ユーザーが被害にあう(情報が盗まれたり、偽のサイトに誘導されたりする)。

この攻撃は、ユーザーが信頼しているウェブサイト上で起こるため、被害者は自分が攻撃されていることに気づきにくいのが特徴です。

XSS攻撃には、大きく分けて3つのタイプがあります。

  • 反射型XSS (Reflected XSS): 悪意のあるプログラムが埋め込まれたURLをクリックさせることで攻撃が成立します。プログラムはその場限りで実行されます。
  • 格納型XSS (Stored XSS / Persistent XSS): 悪意のあるプログラムがウェブサイトのデータベース(掲示板の書き込みなど)に保存されます。そのページを閲覧したユーザー全員が攻撃対象となり、影響が広範囲に及ぶ可能性があります。
  • DOMベースXSS (DOM-based XSS): ウェブサイト自体ではなく、ユーザーのブラウザ上でプログラムの解釈が書き換えられることで攻撃が成立します。サーバー側では検知しにくい場合があります。

※ Cross-Site Scripting の頭文字は CSS ですが、ウェブデザインで使われる CSS (Cascading Style Sheets) と区別するため、XSS と略されるのが一般的です。

どんな被害があるの? 😨

XSS攻撃によって、悪意のあるプログラムが実行されると、様々な被害が発生する可能性があります。

想定される主な被害

  • 個人情報や重要情報の漏洩:
    • Cookie情報(ログイン状態を保持する情報など)が盗まれ、アカウントを乗っ取られる(なりすまし)。
    • 入力フォームに入力した情報(ID、パスワード、クレジットカード情報など)が盗まれる。
  • 偽情報の表示・フィッシング詐欺:
    • 本物のサイト上に偽のログインフォームなどを表示させ、情報を入力させて騙し取る。
    • 偽の情報を表示して、ユーザーを混乱させたり、誤った行動をとらせたりする。
    • 悪意のある別のウェブサイトへ強制的に移動させられる(リダイレクト)。
  • マルウェア感染: 不正なプログラムをダウンロードさせられ、ウイルスなどに感染させられる。
  • ウェブサイトの改ざん: ウェブサイトの内容が書き換えられてしまう。

これらの被害は、ユーザー個人だけでなく、ウェブサイトを運営する企業にとっても、信用の失墜や顧客離れ、損害賠償などに繋がりかねない深刻な問題です。

実際にあったXSS攻撃の事例 📰

XSSは昔からある攻撃ですが、今でも被害が発生しています。過去には、誰もが知っているような有名なサービスでもXSSの脆弱性が原因で問題が発生しました。

  • YouTube (2010年): コメント機能の脆弱性を突かれ、コメント欄に仕込まれたスクリプトにより、一部のユーザーで偽のポップアップが表示されたり、悪質なサイトへ誘導されたりする被害が発生しました。
  • Twitter (2010年): マウスカーソルを特定のツイートに乗せただけで、意図せずその内容がリツイートされてしまう「オンマウスXSS」と呼ばれる攻撃が発生し、ワーム(自己増殖する不正プログラム)が拡散しました。多くはいたずら目的でしたが、大きな混乱を招きました。
  • EC-CUBE (2021年): 日本で広く使われているECサイト構築パッケージ「EC-CUBE」のバージョン4.0系にXSSの脆弱性が見つかり、実際にこの脆弱性を悪用した情報漏えい被害も確認されました。
  • 大手航空会社 (2018年): ウェブサイトで利用していた外部のJavaScriptライブラリのXSS脆弱性を悪用され、顧客のクレジットカード情報を含む個人情報が約38万件も盗まれるという大規模な情報漏洩事件が発生しました。

これらの事例からもわかるように、XSSは他人事ではなく、常に注意が必要な脅威です。

どうすれば対策できるの? (開発者向け🛡️)

非エンジニアの方向けの解説がメインですが、ウェブサイトを作る開発者がどのようにXSS対策を行っているのか、簡単に触れておきましょう。難しい専門用語は避けて、基本的な考え方をご紹介します。

XSS対策の基本は、「ユーザーからの入力を信用しない」ことと、「ウェブページに出力する際に特別な意味を持つ文字を無効化する」ことです。

対策の考え方簡単な説明イメージ
入力値の検証 (バリデーション)ユーザーが入力できる文字の種類や長さを制限する。例えば、電話番号欄には数字しか入力できないようにするなど。これにより、そもそも悪意のあるプログラムを入力しにくくする。門番が怪しい荷物(データ)を入り口でチェックする🔍
出力時のエスケープ処理 (サニタイジング)ユーザーが入力したデータの中に、プログラムとして特別な意味を持つ文字(例: <, >, ", ' など)が含まれていても、それを単なる文字として扱うように変換する。これにより、ブラウザがプログラムとして解釈・実行するのを防ぐ。これが最も重要な対策の一つです。怪しい文字を安全な文字に書き換える✍️➡️😇
セキュリティヘッダーの設定 (CSPなど)ブラウザに対して、「このサイトでは、許可された場所からしかプログラムを読み込まないでね」と指示を出す設定(HTTPレスポンスヘッダー)を行う。万が一、不正なプログラムが埋め込まれても、実行されにくくする。「このエリア以外からの指示は聞かないで!」と事前に伝えておく📢
安全なフレームワークの利用多くのモダンなウェブ開発フレームワーク(ソフトウェア開発を楽にする土台)には、XSS対策機能が組み込まれていることが多いので、それらを活用する。最初から頑丈な設計図で作られた家を選ぶ🏠
WAF (Web Application Firewall) の導入ウェブアプリケーションの手前で、怪しい通信(攻撃と疑われるリクエスト)を検知・遮断する壁(ファイアウォール)を設置する。家の前に頼れる警備員を配置する👮

開発者はこれらの対策を組み合わせて、安全なウェブサイトを作るように努めています。

まとめ

クロスサイトスクリプティング(XSS)は、ウェブサイトのコメント欄や検索窓などを悪用して、悪意のあるプログラムを仕込み、他のユーザーに実行させてしまう攻撃です。個人情報が盗まれたり、偽サイトに誘導されたりする危険があります。ウェブサイトを作る側(開発者)は、入力された情報をきちんとチェックし、出力する際に無害化するなどの対策を行っています。私たちユーザー側も、怪しいリンクを不用意にクリックしない、ソフトウェアを最新の状態に保つなど、基本的なセキュリティ意識を持つことが大切です。正しい知識で、安全にインターネットを利用しましょう!👍

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