目的別に分類した Yarn コマンドのリファレンス
プロジェクトの初期化と管理
新しいプロジェクトを開始したり、既存のプロジェクト構成を管理します。
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
---|---|---|
yarn init |
対話形式で package.json ファイルを生成し、新しいプロジェクトを初期化します。 |
オプション:
|
yarn set version |
Yarn Berry (v2+) プロジェクトで使用する Yarn のバージョンを設定・更新します。Corepack 経由で管理されます。 |
パッケージの依存関係管理
プロジェクトで利用するライブラリやツール(パッケージ)を追加、更新、削除します。
パッケージの追加
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
---|---|---|
yarn add <package...> |
1つまたは複数のパッケージを dependencies (本番環境用依存) として追加します。 |
主なオプション:
Yarn Berry (v2+) 特有:
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パッケージのインストール
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
---|---|---|
yarn install (または単に yarn ) |
package.json とロックファイル (yarn.lock ) に基づいて、すべての依存関係をインストールします。 |
主なオプション:
|
パッケージの更新・削除
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
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yarn upgrade [package...] |
指定したパッケージ、またはすべてのパッケージを package.json で許可された最新バージョンに更新します。 |
主なオプション:
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yarn upgrade-interactive |
対話形式で更新するパッケージを選択できます。 |
主なオプション:
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yarn remove <package...> |
指定したパッケージをプロジェクトから削除します。package.json と yarn.lock が更新され、関連ファイルが削除されます。 |
ローカルパッケージのリンク
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
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yarn link |
現在のパッケージをグローバルにリンクし、他のプロジェクトで利用可能にします。(主にローカル開発用) | |
yarn link <package> |
グローバルにリンクされたパッケージを現在のプロジェクトにリンクします。 | |
yarn unlink [package] |
現在のパッケージ、または指定したパッケージのグローバルリンクを解除します。 | |
yarn import |
Yarn Classic (v1) 既存の package-lock.json (npm) から yarn.lock ファイルを生成しようと試みます。依存関係の移行に役立ちます。 |
パッケージの実行とスクリプト
package.json
に定義されたスクリプトを実行したり、インストールされたコマンドラインツールを実行します。
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
---|---|---|
yarn run <script> [args...] |
package.json の scripts セクションで定義されたスクリプトを実行します。 |
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yarn <script> [args...] |
yarn run のショートカット。定義されたスクリプトを直接実行します。 |
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yarn dlx <command> [args...] |
Yarn Berry (v2+) パッケージを一時的にダウンロードして実行します (npx に相当)。インストールせずにコマンドを実行したい場合に便利です。 |
主なオプション:
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yarn exec <command> [args...] |
プロジェクトの依存関係のコンテキストで任意のコマンドを実行します。ローカルにインストールされたバイナリを実行するのに便利です。 |
Yarn Berry (v2+) では、 |
パッケージの情報表示
インストールされているパッケージや、公開されているパッケージに関する情報を表示します。
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
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yarn info <package> [field] |
パッケージに関する情報 (バージョン、依存関係、ライセンスなど) をレジストリから取得して表示します。 |
主なオプション:
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yarn list |
プロジェクトにインストールされているすべてのパッケージとその依存関係をツリー形式で表示します。 |
主なオプション:
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yarn outdated |
インストールされているパッケージの中で、package.json のバージョン指定範囲内で更新可能なものがあるか確認し、一覧表示します。 |
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yarn why <query> |
指定したパッケージがなぜインストールされているのか (どのパッケージが依存しているか) を表示します。 | |
yarn licenses list |
プロジェクトの依存関係のライセンス情報を一覧表示します。 |
主なオプション:
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yarn licenses generate-disclaimer |
プロジェクトの依存関係すべてのライセンス文書を連結した免責事項テキストを生成します。 |
キャッシュと設定の管理
Yarn のキャッシュや設定を管理します。
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
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yarn cache clean [package...] |
Yarn のグローバルキャッシュ、または指定したパッケージのキャッシュを削除します。 |
Yarn Berry (v2+) では、キャッシュはプロジェクトごとに |
yarn cache dir |
Yarn のグローバルキャッシュディレクトリのパスを表示します。(主に Yarn v1) | |
yarn config set <key> <value> |
Yarn の設定を行います。プロジェクト固有の設定は .yarnrc.yml に書き込まれます。 |
オプション:
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yarn config get <key> |
指定したキーの設定値を取得して表示します。 |
オプション:
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yarn config delete <key> |
指定したキーの設定を削除します。 | |
yarn policies set-version <version> |
Yarn Classic (v1) プロジェクトで使用する Node.js や Yarn のバージョンを強制します (engines フィールドを使用)。 |
Yarn Berry (v2+) では |
ワークスペース (Workspaces)
モノレポ構成で複数のパッケージを単一リポジトリ内で管理する機能です。
ワークスペースを利用するには、まずルートの package.json
で設定が必要です。
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
---|---|---|
yarn workspace <workspace_name> <command> [args...] |
指定したワークスペースのコンテキストで Yarn コマンドを実行します。 | |
yarn workspaces list [--json] |
リポジトリ内のすべてのワークスペースとその場所を一覧表示します。 | |
yarn workspaces foreach <command> [args...] |
Yarn Berry (v2+) すべてのワークスペース、または指定したワークスペースでコマンドを並列または直列に実行します。 |
主なオプション:
|
ルートディレクトリでの yarn add , yarn remove など |
ワークスペースのルートディレクトリで依存関係コマンドを実行すると、通常はルートの package.json に影響しますが、-W オプションでワークスペース全体への操作を示唆できます (主に v1)。 |
Yarn Berry (v2+) では、ルートでの操作は明示的にルートに対して行われ、ワークスペース間の依存関係は各ワークスペース内で管理するのが基本です。 |
プラグイン管理 Yarn Berry (v2+)
Yarn の機能を拡張するプラグインを管理します。
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
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yarn plugin import <name_or_path> |
公式またはコミュニティのプラグインをプロジェクトにインポート (インストール) します。プラグインはリポジトリにコミットされます。 | |
yarn plugin list |
現在インポートされているプラグインの一覧を表示します。 |
オプション:
|
yarn plugin remove <name_or_path> |
インポートされているプラグインを削除します。 | |
yarn plugin runtime |
現在アクティブな Yarn プラグインとそのバージョンを表示します。 |
バージョン管理 Yarn Berry (v2+)
Yarn Release Workflow を使用して、ワークスペース内のパッケージバージョンを管理・更新します。
コマンド | 説明 | 使用例・オプション |
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yarn version <strategy> |
現在のワークスペース、またはプロジェクト全体のバージョンを更新します。major , minor , patch などの戦略を指定します。deferred (遅延) 戦略を使うと、リリース時にまとめてバージョンを上げることができます。 |
オプション:
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yarn version check |
ワークスペース間で、package.json に記載されたバージョンと実際のバージョンに矛盾がないかチェックします。 |
オプション:
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yarn versions apply |
yarn version deferred などで遅延されたバージョン更新を適用します。通常、リリースプロセスの一部として実行されます。 |
オプション:
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yarn versions bump |
yarn version apply と似ていますが、バージョン更新の適用のみを行います。コミットなどの追加処理は行いません。 |