はじめに:配列ってなんだろう?
プログラミングをしていると、「たくさんのデータ」を扱いたい場面がたくさん出てきます。例えば、ユーザーの名前リスト、テストの点数一覧、商品の情報などです。これらのデータを一つ一つ別の変数に入れて管理するのは大変ですよね
そこで登場するのが配列 (Array) です!配列を使うと、関連する複数の値を一つの変数にまとめて格納し、効率的に管理することができます。PHPにおいて配列は非常に強力で、Web開発の様々な場面で活躍します。
このステップでは、PHPの配列の中でも基本となる「数値配列」と「連想配列」の作り方と基本的な操作方法を学びましょう!
1. 数値配列:番号で管理するデータリスト
数値配列は、もっともシンプルな配列の形式です。データを入れると、自動的に 0から始まる連続した整数 が「インデックス(添え字)」として割り当てられます。ちょうど、リストの項目に番号を振っていくイメージです。
数値配列の作り方
PHPでは、array()
関数を使う方法と、より短い角括弧 []
を使う方法があります。最近のPHPでは、短い []
を使うのが一般的です。
上記のコードを実行すると、次のような出力が得られます。
Array
(
[0] => Apple
[1] => Banana
[2] => Cherry
)
[0]
, [1]
, [2]
がインデックス番号で、それぞれに対応する値が格納されているのがわかりますね。
要素へのアクセス
配列の中の特定のデータ(要素)を取り出すには、変数名の後に [インデックス番号]
を指定します。
注意: インデックスは 0 から始まります。存在しないインデックスを指定するとエラーになるので気をつけましょう。
要素の追加と変更
既存の配列に新しい要素を追加したり、既存の要素の値を変更したりすることも簡単です。
2. 連想配列:名前(キー)で管理するデータセット
数値配列が番号でデータを管理するのに対し、連想配列 (Associative Array) は、各データに固有の「名前」を付けて管理します。この名前のことを キー (Key) と呼びます。キーと値 (Value) がペアになっているのが特徴です。辞書のように、単語(キー)を引くと意味(値)が出てくるイメージです。
連想配列の作り方
連想配列も array()
関数または角括弧 []
で作成できます。キーと値を =>
で結びつけます。キーには通常、文字列を使います。
上記のコードを実行すると、次のような出力が得られます。
Array
(
[name] => Taro
[age] => 30
[city] => Tokyo
)
数値のインデックスではなく、指定した文字列(’name’, ‘age’, ‘city’)がキーになっていることがわかりますね。
要素へのアクセス
連想配列の要素にアクセスするには、変数名の後に ['キー名']
を指定します。
注意: キー名は大文字・小文字を区別します。$user['Name']
のように間違えると、存在しないキーとして扱われます。
要素の追加と変更
連想配列でも、新しいキーと値のペアを追加したり、既存のキーに対応する値を変更したりできます。
3. 配列の基本的な操作(共通)
数値配列でも連想配列でも使える、便利な基本的な操作をいくつか見てみましょう。
要素数の取得:count()
関数
配列にいくつの要素が含まれているかを知りたい場合は、count()
関数を使います。
配列の内容を確認:print_r()
と var_dump()
開発中に配列の中身を確認したいことはよくあります。print_r()
は人間が読みやすい形式で、var_dump()
はデータ型や文字数など、より詳細な情報を表示してくれます。デバッグ時に非常に役立ちます
出力例:
--- print_r() の出力 ---
Array
(
[0] => Apple
[1] => Banana
[2] => Cherry
)
--- var_dump() の出力 ---
array(3) {
[0]=>
string(5) "Apple"
[1]=>
string(6) "Banana"
[2]=>
string(6) "Cherry"
}
var_dump()
の方が、各要素のデータ型(string)や文字数まで表示されているのがわかりますね。
ループ処理での利用:foreach
配列の全ての要素に対して同じ処理を行いたい場合、foreach
ループが非常に便利です。
数値配列の場合:
連想配列の場合(キーと値の両方を取得):
foreach
を使うことで、配列の要素数に関係なく、すべての要素を簡単に処理できます。
まとめ
今回はPHPの配列の基本、数値配列と連想配列について学びました。
- 数値配列: 順番が重要で、0から始まる番号で管理したいデータリストに使う。
- 連想配列: 各データに意味のある名前(キー)を付けて管理したいデータセットに使う。
配列はPHPプログラミングの基礎であり、これから学ぶ多くの機能(フォーム処理、データベース操作など)で頻繁に利用します。基本的な作成方法とアクセス方法をしっかりマスターしておきましょう!
次のステップでは、配列をさらに便利に扱うための様々な「配列関数」について学んでいきます。お楽しみに!