[C言語のはじめ方] Part1: GCC / clang / VS Code の開発環境構築

C言語

C言語プログラミングの第一歩を踏み出そう!

こんにちは! 👋 C言語学習の旅へようこそ! このシリーズでは、C言語の基本から応用まで、ステップバイステップで学んでいきます。最初のステップとして、今回はC言語のプログラムを作成し、実行するために必要な「開発環境」を整えましょう。

プログラミングを始めるには、いくつかのツールが必要です。具体的には、私たちが書いたC言語のコード(ソースコード)をコンピュータが理解できる形(機械語)に翻訳する「コンパイラ」と、コードを書くための「テキストエディタ」または「統合開発環境(IDE)」です。

この記事では、代表的なコンパイラである GCCclang、そして高機能なテキストエディタである Visual Studio Code (VS Code) を使って開発環境を構築する方法を、OS(Windows, macOS, Linux)ごとに解説していきます。

💡 ポイント: 環境構築は少し複雑に感じるかもしれませんが、一度設定してしまえば、あとはコーディングに集中できます。焦らず、手順に沿って進めていきましょう!

1. C言語コンパイラについて:GCC と clang

C言語で書かれたプログラムは、そのままではコンピュータは実行できません。人間が理解しやすいC言語のコードを、コンピュータが直接実行できる機械語の命令に変換する必要があります。この変換作業を行うのが「コンパイラ」です。

C言語のコンパイラにはいくつか種類がありますが、現在広く使われている代表的なものに GCC (GNU Compiler Collection)clang があります。

  • GCC: GNUプロジェクトによって開発されている、非常に歴史が長く、多くのプラットフォームで利用可能なコンパイラ群です。C言語だけでなく、C++, Fortranなど多くの言語に対応しています。安定性と互換性に定評があります。
  • clang: LLVMプロジェクトの一部として開発されている、比較的新しいコンパイラです。GCCとの互換性を意識しつつ、より高速なコンパイル速度、分かりやすいエラーメッセージ、優れた診断機能などを特徴としています。AppleのXcodeのデフォルトコンパイラとしても採用されています。

どちらのコンパイラを選んでも、C言語の学習を進める上で大きな違いはありません。OSによってはデフォルトでどちらかがインストールされていたり、インストールしやすい方があったりします。この記事では、両方のインストール方法に触れていきますので、ご自身の環境に合わせて選択してください。

2. 各OSでのコンパイラのインストール

お使いのOSに合わせて、コンパイラをインストールしましょう。

Windowsの場合 🏢

Windowsには標準でC言語コンパイラが含まれていないため、別途インストールが必要です。主な方法として以下の2つがあります。

  1. MinGW-w64 (GCC) の利用:

    Windows上でGCCを利用するための環境です。MSYS2 というツールを使うと、MinGW-w64を含む様々な開発ツールを簡単にインストール・管理できます。これが推奨される方法です。

    • MSYS2公式サイトからインストーラーをダウンロードし、指示に従ってインストールします。
    • インストール後、MSYS2のターミナル(MSYS2 MinGW 64-bitなど)を起動します。
    • ターミナルで以下のコマンドを実行し、パッケージデータベースを更新し、GCCをインストールします。
      # パッケージデータベースと基本システムの更新 (複数回実行が必要な場合があります)
      pacman -Syu
      
      # GCC (MinGW-w64 toolchain) のインストール
      pacman -S --needed base-devel mingw-w64-x86_64-toolchain
      途中で選択肢が表示された場合は、デフォルト(すべてインストール)でEnterキーを押して進めてください。
    • インストール後、環境変数 Path に MinGW-w64 の bin ディレクトリ(例: C:\msys64\mingw64\bin)を追加すると、コマンドプロンプトやPowerShellからも gcc コマンドが使えるようになります。(必須ではありませんが、VS Codeから利用する際に便利です)
    • インストール確認: 新しくコマンドプロンプトやPowerShellを開き、以下のコマンドを実行します。
      gcc --version
      バージョン情報が表示されれば成功です。🎉
  2. WSL (Windows Subsystem for Linux) の利用:

    Windows上でLinux環境を動作させる仕組みです。WSLを有効にし、UbuntuなどのLinuxディストリビューションをインストールすれば、Linuxと同様の方法でGCCやclangをインストールできます。

    • Microsoft StoreからUbuntuなどの好みのLinuxディストリビューションをインストールし、初期設定を行います。
    • WSLのターミナルを開き、Linuxの項で説明するコマンド (sudo apt update, sudo apt install build-essential clang) を実行します。
    • Linux環境での開発に興味がある方、将来的にLinuxでの開発も視野に入れている方におすすめです。

初学者のうちは、MSYS2 を使った MinGW-w64 の導入が比較的簡単でおすすめです。

macOSの場合 🍎

macOSでは、Appleが提供する開発ツール「Xcode Command Line Tools」をインストールするのが最も簡単です。これには clang が含まれています。

  • ターミナルアプリケーション(アプリケーション > ユーティリティ > ターミナル)を開きます。
  • 以下のコマンドを実行します。
    xcode-select --install
  • ポップアップウィンドウが表示されるので、「インストール」をクリックし、ライセンス契約に同意してインストールを進めます。
  • インストール確認: ターミナルで以下のコマンドを実行します。
    clang --version
    バージョン情報が表示されれば成功です。🎉 (gcc --version と入力しても clang の情報が表示されることがありますが、これはエイリアスであり、実体は clang です。)

もし GCC を使いたい場合は、Homebrew というパッケージマネージャーを使ってインストールできます。

# Homebrewがインストールされていない場合は、まずHomebrewをインストール
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"

# Homebrewを使ってGCCをインストール
brew install gcc

# インストール確認 (gccコマンド名が異なる場合があります。例: gcc-13)
gcc-13 --version # バージョン番号はインストールしたものに合わせてください

Linux (Ubuntu/Debian系) の場合 🐧

多くのLinuxディストリビューションでは、パッケージマネージャーを使って簡単にGCCやclangをインストールできます。ここではUbuntuやDebian系の例を示します。

  • ターミナルを開きます。
  • 以下のコマンドを実行して、パッケージリストを更新し、GCC、clang、および関連ツールを含む build-essential パッケージをインストールします。
    # パッケージリストの更新
    sudo apt update
    
    # GCC, make などの基本的な開発ツールをインストール
    sudo apt install build-essential
    
    # clang をインストール (任意)
    sudo apt install clang
    sudo は管理者権限でコマンドを実行するために必要で、パスワードの入力を求められます。
  • インストール確認: ターミナルで以下のコマンドを実行します。
    gcc --version
    clang --version
    それぞれのバージョン情報が表示されれば成功です。🎉

3. テキストエディタ/IDE:Visual Studio Code (VS Code) の導入

コンパイラの準備ができたら、次はC言語のコードを書くためのツール、「テキストエディタ」または「統合開発環境(IDE)」をインストールしましょう。メモ帳のようなシンプルなテキストエディタでもコードは書けますが、プログラミングに特化したエディタを使うと、コードの色分け(シンタックスハイライト)、入力補完、エラーチェックなどの便利な機能が利用でき、開発効率が格段に向上します。💪

世の中には様々なエディタやIDEがありますが、ここではVisual Studio Code (VS Code) を強くおすすめします。

  • 無料で利用できる。
  • Windows, macOS, Linux のすべてに対応している(クロスプラットフォーム)。
  • 軽量でありながら高機能。
  • 豊富な拡張機能により、C言語開発はもちろん、他の多くの言語やツールに対応可能。
  • 世界中の多くの開発者に利用されており、情報やコミュニティが豊富。

VS Code のインストール

  1. Visual Studio Code 公式サイトにアクセスします。
  2. トップページに、お使いのOSに適したダウンロードボタンが表示されているはずです。これをクリックしてインストーラーをダウンロードします。
  3. ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールを進めます。基本的にデフォルトの設定のままで問題ありません。(Windowsの場合、「PATHへの追加」のチェックが入っていることを確認しておくと便利です)
  4. インストールが完了したら、VS Codeを起動してみましょう。

4. VS Code の初期設定:C/C++ 拡張機能のインストール

VS Code をインストールしただけでは、まだC言語開発に最適化されていません。C/C++言語のサポートを追加するための拡張機能をインストールしましょう。Microsoftが提供している公式の拡張機能がおすすめです。

  1. VS Code を起動します。
  2. 画面左側のアクティビティバー(アイコンが縦に並んでいる部分)から、四角が組み合わさったようなアイコン(拡張機能)をクリックします。
  3. 検索ボックスが表示されるので、「C/C++」と入力します。
  4. 検索結果の中から、Microsoft 提供の「C/C++」(発行元が Microsoft となっているもの)を見つけ、「インストール」ボタンをクリックします。
    ⚠️ 注意: 似た名前の拡張機能が複数ある場合があります。必ず発行元 (Publisher) が Microsoft であることを確認してください。
  5. インストールが完了すると、C言語のコード補完、デバッグ機能、コード整形などの便利な機能がVS Codeで使えるようになります。✨

5. 簡単なプログラムの作成、コンパイル、実行

さあ、準備は整いました! 実際に VS Code を使って簡単な C 言語プログラムを作成し、コンパイルして実行してみましょう。

  1. 作業用フォルダの作成: まず、C言語のプロジェクトファイルを保存するためのフォルダを分かりやすい場所(デスクトップやドキュメントフォルダなど)に作成します。例えば、「c_projects」という名前のフォルダを作成しましょう。
  2. VS Code でフォルダを開く: VS Code を起動し、「ファイル」メニューから「フォルダを開く…」(または “Open Folder…”)を選択し、先ほど作成した「c_projects」フォルダを開きます。
  3. Cファイルの作成: VS Code のエクスプローラービュー(左側のファイル一覧が表示されるエリア)で、フォルダ名の横にある「新しいファイル」アイコンをクリックし、「hello.c」という名前のファイルを作成します。
  4. コードの入力: 作成した hello.c ファイルを開き、以下のコードを入力(またはコピー&ペースト)します。これは、画面に “Hello, World!” と表示する、C言語の最も基本的なプログラムです。
    #include <stdio.h>
    
    int main(void) {
        printf("Hello, World!\n");
        return 0;
    }
    入力すると、VS Code がコードを色分けして表示してくれるはずです。これがシンタックスハイライト機能です。🌈
  5. ターミナルを開く: VS Code の上部メニューから「ターミナル」>「新しいターミナル」を選択します。画面下部にターミナル(コマンドを入力する画面)が表示されます。
  6. コンパイル: 開いたターミナルに、以下のコマンドを入力して Enter キーを押します。これにより、hello.c というソースコードがコンパイルされ、hello という名前の実行可能ファイルが生成されます。(macOS/Linux と Windows/MinGW でコマンドは同じです)

    GCC を使う場合:

    gcc hello.c -o hello

    clang を使う場合:

    clang hello.c -o hello

    -o hello は、生成される実行可能ファイルの名前を hello に指定するオプションです。これを省略すると、デフォルトで a.out (macOS/Linux) や a.exe (Windows) という名前のファイルが生成されます。

    何もメッセージが表示されなければ、コンパイルは成功です。もしエラーメッセージが表示された場合は、コードの入力ミスがないか確認しましょう。🧐

  7. 実行: コンパイルが成功したら、生成された実行可能ファイルを実行します。ターミナルで以下のコマンドを入力します。

    macOS / Linux / WSL の場合:

    ./hello

    Windows (コマンドプロンプト / PowerShell / Git Bash / MSYS2ターミナル) の場合:

    .\hello

    ./.\ は、「現在いるディレクトリにあるファイルを実行する」という意味です。

  8. 結果の確認: ターミナルに以下のように表示されれば、プログラムは正しく実行されています!
    Hello, World!

6. まとめ

お疲れ様でした! 🥳 これで、あなたのコンピュータにC言語のプログラムを作成し、実行するための開発環境が整いました。

今回行った手順をまとめると、以下のようになります。

  1. C言語のソースコードを機械語に翻訳するコンパイラ (GCC または clang) をインストールしました。
  2. コードを書くための高機能なテキストエディタ (Visual Studio Code) をインストールしました。
  3. VS Code に C/C++ 拡張機能をインストールし、C言語開発をサポートするように設定しました。
  4. 簡単な “Hello, World!” プログラムを作成し、VS Code のターミナルからコンパイルして実行する流れを確認しました。

最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、何度も繰り返すうちに自然と慣れていきます。環境構築はプログラミング学習の最初のハードルですが、これを乗り越えれば、いよいよ本格的な C 言語の学習を始めることができます。

次のステップでは、C言語プログラムの基本構造である main 関数の役割について学んでいきます。引き続き、一緒に頑張りましょう!🚀

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