Fortran プログラミングの第一歩を踏み出しましょう!
はじめに:なぜ “Hello, World!”?
プログラミング学習の最初のステップとして、多くの言語で「Hello, World!」という文字列を画面に出力するプログラムを作成します。これは、開発環境が正しく設定されているか、基本的なプログラムの書き方、コンパイル、実行の流れを理解するための簡単な方法だからです。
Fortranでも、この伝統に倣って、まずは簡単なプログラムを作成してみましょう!
Fortran での “Hello, World!”
最も基本的な “Hello, World!” プログラムは以下のようになります。
program HelloWorld ! このプログラムは "Hello, World!" と画面に出力します。 implicit none print *, "Hello, World!"
end program HelloWorld コードの解説
program HelloWorld: プログラムの開始を宣言し、HelloWorldという名前を付けています。プログラム名は必須ではありませんが、付けておくと分かりやすいです。! ...:!以降はコメントとして扱われ、プログラムの実行には影響しません。説明などを記述するのに使います。implicit none: これは「暗黙の型宣言」を無効にするための重要な文です。変数を使う前に必ず型を宣言するように強制することで、予期せぬエラーを防ぐのに役立ちます。Fortran 90以降では、記述することが強く推奨されています。print *, "Hello, World!": これが実際に画面に文字列を出力する命令です。print *は、書式を指定せずに標準出力(通常は画面)に出力することを意味します。"Hello, World!"が出力したい文字列です。代わりにwrite(*,*) "Hello, World!"と書くこともできます。*は標準出力とデフォルトの書式を示します。end program HelloWorld: プログラムの終了を示します。program文で名前を付けた場合は、end programの後にも同じ名前を記述します。
コンパイルと実行
作成したプログラムを実行するには、まず「コンパイル」という作業が必要です。コンパイルとは、人間が書いたコード(ソースコード)をコンピュータが理解できる機械語(実行可能ファイル)に変換することです。
ここでは、広く使われているオープンソースのコンパイラ gfortran を使う例を示します。(参考: gfortran 公式サイト)
- ファイルの保存: 上記のコードをテキストエディタ(VS Code, Emacs, Vim, メモ帳など)に貼り付け、
hello.f90という名前で保存します。ファイル拡張子は.f90や.f95などが一般的です(自由形式ソースコードの場合)。 - コンパイル: ターミナル(またはコマンドプロンプト)を開き、
hello.f90を保存したディレクトリに移動して、以下のコマンドを実行します。gfortran hello.f90 -o hellogfortran: Fortranコンパイラを起動するコマンドです。hello.f90: コンパイルしたいソースファイルの名前です。-o hello: 生成される実行可能ファイルの名前をhelloに指定するオプションです。(Windowsの場合はhello.exeという名前になることが多いです。)
エラーメッセージが表示されなければ、コンパイルは成功です
- 実行: 同じターミナルで、以下のコマンドを実行します。
(Windowsの場合は./hellohelloまたはhello.exeと入力します。)
実行すると、ターミナルに次のように表示されるはずです。
Hello, World! これで、Fortranプログラムの作成、コンパイル、実行の一連の流れを体験できました!
まとめ
おめでとうございます! Fortran で “Hello, World!” プログラムを作成し、実行することができました。これは小さな一歩ですが、プログラミングの世界への大きな扉を開いたことになります。
今回のステップで、以下のことを学びました。
- Fortranプログラムの基本的な構造(
program,end program) - 画面に文字を出力する方法(
print *) - コメントの書き方(
!) implicit noneの重要性- コンパイルと実行の方法(
gfortranを使用)
次は、Fortranプログラムのより詳しい構造やコメントの書き方について学んでいきましょう! Step 1-4: 基本的なプログラム構造とコメントの書き方 へ進んでください。