🕵️‍♂️ サイバー攻撃の手口を解き明かす!ロッキード・マーティンの「キルチェーン」入門

はじめに:キルチェーンって何?🤔

「サイバー攻撃」と聞くと、なんだか難しくてよくわからない…と感じるかもしれません。でも、攻撃者がどんな手順で攻撃してくるのかを知れば、ぐっと対策しやすくなりますよね。

そこで登場するのが「サイバーキルチェーン (Cyber Kill Chain)」という考え方です。これは、もともと軍事用語だった「キルチェーン(攻撃を段階的にとらえる考え方)」を、サイバー攻撃に応用したものです。

特に有名なのが、アメリカの航空宇宙・防衛企業であるロッキード・マーティン社が2011年頃に提唱したモデルです。このモデルは、攻撃者が目的を達成するまでの一連の流れを7つの段階に分けて分析します。

このブログでは、初心者の方にもわかりやすく、ロッキード・マーティン社のキルチェーンモデルを解説していきます!これを理解すれば、ニュースで聞くサイバー攻撃のニュースも、より深く理解できるようになるかもしれません。

キルチェーンの7つのステップ 🚶‍♀️➡️🎯

ロッキード・マーティン社が提唱したサイバーキルチェーンは、以下の7つの段階で構成されています。攻撃者は、基本的にこの順番で攻撃を進めていきます。

ステップ 名称 (英語) どんなことをするの? 絵文字
1 偵察 (Reconnaissance) 攻撃対象の情報を集める段階。どんなシステムを使っているか、誰が働いているかなどをインターネットやSNS、時にはダークウェブなどを使って調べます。 🕵️
2 武器化 (Weaponization) 偵察で得た情報をもとに、攻撃に使う「武器」を作成する段階。ターゲットの脆弱性(弱点)を突くマルウェア(悪意のあるソフトウェア)や、ウイルス付きのファイルなどを作ります。 🛠️
3 配送 (Delivery) 作成した「武器」をターゲットに送り届ける段階。メールの添付ファイル、不正なWebサイトへの誘導、USBメモリなどが使われます。 📧
4 攻撃 (Exploitation) 送り届けた「武器」を作動させ、ターゲットのシステムの脆弱性を突く段階。メールの添付ファイルを開かせたり、不正なリンクをクリックさせたりして、マルウェアを実行させます。 💥
5 インストール (Installation) ターゲットのコンピューターにマルウェアをインストールする段階。これにより、攻撃者はターゲットのシステムに「足がかり」を築きます。 💻
6 コマンド&コントロール (Command & Control / C2) インストールしたマルウェアを通じて、攻撃者が外部からターゲットのコンピューターを遠隔操作できるようにする段階。攻撃者のサーバー(C2サーバー)と通信を確立します。 📡
7 目的の実行 (Actions on Objectives) 攻撃者が最終的な目的を達成する段階。機密情報を盗み出したり、システムを破壊したり、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)でファイルを暗号化したりします。 🎯

キルチェーンを知るメリットは?🛡️

このキルチェーンの各段階を理解することで、防御側は大きなメリットを得られます。

  • 攻撃の早期発見: 攻撃がどの段階にあるかを把握できれば、最終目的を達成される前に対処できる可能性が高まります。例えば、「偵察」段階で不審なアクセスを検知できれば、その後の攻撃を防げます。
  • 効果的な対策: 各段階で有効な対策は異なります。「配送」段階では不審なメールのフィルタリング、「インストール」段階ではマルウェア対策ソフトが有効です。キルチェーンを理解することで、どこに重点を置いて対策すべきかが見えてきます。
  • インシデント分析: 万が一攻撃を受けてしまった場合でも、キルチェーンに沿って分析することで、どこから侵入され、どのような被害が出たのかを特定しやすくなります。
  • 意識向上: 従業員一人ひとりがキルチェーンの概念を知ることで、「怪しいメールは開かない」「不審なサイトにはアクセスしない」といった基本的な対策の重要性を理解しやすくなります。

💡 キルチェーンは、攻撃を「線」で捉えるためのフレームワークです。各段階で攻撃を断ち切ることができれば、被害を最小限に抑えることができます。

注意点もある?🤔

キルチェーンは非常に有用な考え方ですが、万能ではありません。以下のような点も考慮に入れる必要があります。

  • 直線的ではない攻撃: 実際の攻撃は、必ずしもこの7段階を順番通りに進むとは限りません。ステップを飛ばしたり、複数の段階を同時に行ったりすることもあります。
  • 内部からの脅威: キルチェーンは主に外部からの攻撃者を想定していますが、内部の人間による不正行為には対応しきれない場合があります。
  • 新しい攻撃手法: サイバー攻撃の手法は常に進化しており、キルチェーンの枠に収まらない新しい攻撃が登場する可能性もあります。

とはいえ、キルチェーンは依然として多くのサイバー攻撃を理解するための基本的なフレームワークとして、非常に役立ちます。

まとめ 📝

ロッキード・マーティン社のサイバーキルチェーンは、サイバー攻撃の一連の流れを7つの段階(偵察、武器化、配送、攻撃、インストール、コマンド&コントロール、目的の実行)で理解するためのフレームワークです。

このモデルを理解することで、攻撃者の行動を予測し、各段階で適切な対策を講じることが可能になります。サイバーセキュリティ対策の第一歩として、ぜひこの「キルチェーン」の考え方を覚えておきましょう! 💪