「Azure Security Center」という言葉を聞いたことがありますか? もしかしたら、クラウドのセキュリティについて調べているときに見かけたかもしれませんね。実は、このAzure Security Centerは、2021年11月に名前が変わり、現在は「Microsoft Defender for Cloud」と呼ばれています。
この記事では、名前が変わった「Microsoft Defender for Cloud」(旧Azure Security Center)がどんなサービスなのか、初心者の方にも分かりやすく解説していきます!
Microsoft Defender for Cloud って、そもそも何?
Microsoft Defender for Cloudは、一言でいうと「クラウド環境のセキュリティをまとめて管理・強化してくれるサービス」です。
皆さんがAzureなどのクラウドサービスを使うとき、仮想マシン、データベース、Webアプリなど、たくさんのリソース(部品のようなもの)を使いますよね。これらのリソースには、それぞれセキュリティ上の弱点(脆弱性)が見つかったり、設定ミスがあったりすることがあります。また、悪い人たち(攻撃者)が、これらの弱点を狙って攻撃してくる可能性もあります。😱
Microsoft Defender for Cloudは、そんなクラウド環境全体を見守ってくれて、
- ✅ セキュリティ上の問題点(設定ミスや脆弱性)を見つけて教えてくれる
- ✅ どうすれば安全になるか、具体的な対策(推奨事項)を提案してくれる
- ✅ 不審な動きや攻撃を検知して、警告(アラート)を出してくれる
といった機能を提供して、皆さんのクラウド環境を安全に保つお手伝いをしてくれます。
さらに、Microsoft Azureだけでなく、Amazon Web Services (AWS) や Google Cloud Platform (GCP) といった他の会社のクラウドサービスや、自社で管理しているサーバー(オンプレミス環境)もまとめて管理できるのが大きな特徴です。まさに、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド時代のセキュリティ対策の司令塔のような存在ですね! 🏢☁️🌐
Microsoft Defender for Cloud の主な機能
Microsoft Defender for Cloudには、たくさんの機能がありますが、ここでは特に重要なものをいくつか紹介します。
機能カテゴリ | 主な機能 | 簡単な説明 |
---|---|---|
セキュリティ体制管理 (CSPM) Cloud Security Posture Management |
セキュリティ スコア | 現在のセキュリティ状況を点数化して表示。どこに問題があるか一目でわかります。💯 |
推奨事項 | セキュリティを改善するための具体的な対策方法を提案してくれます。「こうすればもっと安全になりますよ」と教えてくれるイメージです。📝 | |
規制コンプライアンス ダッシュボード | 業界標準や法規制(例:ISO 27001, PCI DSSなど)をどの程度満たせているかを確認できます。📜 | |
クラウドワークロード保護 (CWP) Cloud Workload Protection |
セキュリティ アラート | 仮想マシン、データベース、コンテナなどで不審な動きや攻撃を検知すると、リアルタイムで警告してくれます。🚨 |
脆弱性評価 | 仮想マシンやコンテナイメージなどに潜むセキュリティ上の弱点(脆弱性)をスキャンして見つけ出してくれます。🔍 | |
その他 | Just-In-Time (JIT) VMアクセス | 普段は仮想マシンへの管理アクセスポートを閉じておき、必要なときだけ一時的に許可することで、不正アクセスリスクを減らします。⏱️ |
これらの機能は、大きく分けて「CSPM(Cloud Security Posture Management:クラウドセキュリティ体制管理)」と「CWP(Cloud Workload Protection:クラウドワークロード保護)」という2つの考え方に基づいています。
- CSPM: クラウド環境全体の設定が安全かどうかを継続的にチェックし、改善点を見つける機能群です。旧Azure Security Centerの主な役割でした。
- CWP: 個々のワークロード(仮想マシン、コンテナ、データベースなど)を具体的な脅威から守る機能群です。旧Azure Defenderの主な役割でした。
Microsoft Defender for Cloudは、これらCSPMとCWPの両方の機能を統合して提供しています。
なぜ Microsoft Defender for Cloud が重要なのか?
クラウドを使うメリットはたくさんありますが、同時にセキュリティのリスクも伴います。設定ミスによる情報漏洩や、サイバー攻撃によるサービス停止など、様々な脅威が存在します。
Microsoft Defender for Cloudを使うことで、以下のようなメリットがあります。
- 🛡️ セキュリティ強化: クラウド環境全体のセキュリティ状況を可視化し、弱点を特定・修正することで、攻撃のリスクを低減できます。
- 👀 脅威の早期発見・対応: 不審なアクティビティや攻撃をリアルタイムで検知し、迅速に対応することで被害を最小限に抑えられます。
- 😌 運用負荷の軽減: 複数のクラウド環境やオンプレミス環境のセキュリティを一元管理できるため、管理者の負担を軽減できます。
- 📜 コンプライアンス対応支援: 各種規制や標準への準拠状況を確認しやすくなり、コンプライアンス維持に役立ちます。
特に、複数のクラウドサービスを使い分けたり、オンプレミス環境とクラウドを連携させたりしている(ハイブリッドクラウド・マルチクラウド)企業にとっては、セキュリティ管理の複雑さが増すため、Microsoft Defender for Cloudのような統合的なセキュリティソリューションは非常に重要です。
料金について 💰
Microsoft Defender for Cloudには、基本的なCSPM機能(セキュリティスコア、基本的な推奨事項など)を提供する無料プランがあります。Azureを利用している場合は、自動的にこの無料プランが適用されます。
より高度な脅威保護機能(CWP)や高度なCSPM機能(攻撃パス分析、エージェントレススキャンなど)を利用したい場合は、「強化されたセキュリティ機能」(旧Azure Defenderプラン)を有効にする必要があり、これらは有料となります。
有料プランは、保護対象のリソース(仮想マシン、データベース、ストレージアカウントなど)ごとに有効化でき、料金体系もリソースの種類によって異なります(時間単位、トランザクション単位、vCore単位など)。多くのプランでは、最初の30日間は無料で試すことができます。
まとめ
今回は、Azure Security Center(現:Microsoft Defender for Cloud)について解説しました。
- ✅ Azure Security CenterはMicrosoft Defender for Cloudに名称変更された(2021年11月)。
- ✅ クラウド環境(Azure, AWS, GCP)やオンプレミス環境のセキュリティを一元管理・強化するサービス。
- ✅ CSPM(セキュリティ体制管理)とCWP(ワークロード保護)の機能を提供する。
- ✅ セキュリティスコア、推奨事項、アラートなどの機能でセキュリティ向上を支援する。
- ✅ 基本的なCSPM機能は無料で利用可能。高度な機能は有料プランで提供される。
クラウド活用が進む現代において、セキュリティ対策は非常に重要です。Microsoft Defender for Cloudのようなツールを活用して、安全なクラウド環境を維持しましょう!💪