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Fortranの歴史と特徴(数値計算・科学技術用途)
🚀 Fortranへようこそ!
Fortran(フォートラン)は、世界で初めて実用化された高水準プログラミング言語の一つです。その名前は「Formula Translation」(数式翻訳)に由来し、その名の通り、主に数値計算や科学技術計算の分野で強力な性能を発揮するように設計されています。
「古い言語」というイメージがあるかもしれませんが、Fortranは今もなお進化を続けており、スーパーコンピュータを使った大規模シミュレーションから、日々の研究開発まで、幅広い分野で現役で活躍しています。このステップでは、Fortranがどのような歴史を持ち、どんな特徴を持っているのかを見ていきましょう!
🕰️ Fortranの歩み:歴史の概要
Fortranの歴史は長く、コンピュータの進化と共に歩んできました。
- 誕生 (1950年代): IBM社のジョン・バッカス氏を中心としたチームによって開発されました。当時のプログラミングは非常に複雑でしたが、Fortranの登場により、科学者や技術者がより簡単にプログラムを書けるようになりました。
- 標準化 (1966年~): 互換性を保つために、標準規格が策定されるようになりました。FORTRAN 66、FORTRAN 77といった規格が登場し、多くの環境で利用される基盤が整いました。特にFORTRAN 77は長年にわたり広く使われました。
- モダンFortranへの進化 (1990年代~): Fortran 90では、自由形式のソースコード、モジュール、派生型(構造体)、動的配列、配列構文など、現代的なプログラミング言語の機能が大幅に追加されました。続くFortran 95、Fortran 2003、Fortran 2008、Fortran 2018、そして最新の Fortran 2023 で、オブジェクト指向の要素、並列計算機能 (Coarray Fortran)、C言語との連携強化などが盛り込まれ、常に進化を続けています。
主な規格とその特徴を簡単にまとめます。
規格 | 主な特徴 |
---|---|
FORTRAN 77 | 固定形式、構造化プログラミング(IF文、DOループ)、サブルーチン、関数 |
Fortran 90 | 自由形式、モジュール、派生型、ALLOCATABLE 配列、配列構文、INTERFACE |
Fortran 95 | FORALL 文、PURE /ELEMENTAL 手続き、初期化ポインタ |
Fortran 2003 | オブジェクト指向機能(型拡張、ポリモーフィズム)、C言語との相互運用性強化 |
Fortran 2008 | Coarray Fortran(組込み並列機能)、DO CONCURRENT 、ブロック構文 |
Fortran 2018 | Coarray機能拡張、C言語相互運用性向上、16進入出力など |
Fortran 2023 | 条件式、列挙型、SIMPLE 手続き、Coarray機能・C言語相互運用性のさらなる改善 |
🔢 Fortranの主な特徴
Fortranが長年にわたり科学技術計算分野で使われ続けているのには、以下のような理由があります。
- 数値計算に最適化:
- 強力な多次元配列操作機能が言語仕様に組み込まれています。
- 複素数型や倍精度・四倍精度などの豊富な数値データ型を扱えます。
- 組み込みの数学関数(三角関数、指数・対数関数など)が充実しています。
- 実行速度:
- コンパイル言語であり、最適化技術も成熟しているため、非常に高速な実行コードを生成できます。大規模計算には不可欠な要素です。
- 比較的シンプルな文法:
- 特に基本的な数値計算を行うための文法は、他の言語と比較して習得しやすい部分があります。(ただし、モダンFortranの機能は豊富です)
- 豊富なライブラリと実績:
- 長年の歴史の中で、数値計算ライブラリ(例えば、線形代数計算のためのBLASやLAPACK)が多数開発され、利用可能です。
- 多くの分野で膨大な量のコード資産が存在し、現在も活用・メンテナンスされています。
- 並列計算への対応:
- Coarray Fortranという言語組み込みの並列機能や、OpenMP、MPIといった標準的な並列化手法との親和性が高く、スーパーコンピュータなどでの大規模並列計算に適しています。
簡単なプログラム例を見てみましょう。これは画面にメッセージを表示するプログラムです。
program hello
implicit none ! 暗黙の型宣言を無効化 (推奨)
print *, 'Hello, Fortran World! 👋'
end program hello
implicit none
は、変数の型宣言を必須にするおまじないのようなもので、バグを防ぐために推奨されています。print *,
で画面に出力します。シンプルですね!
💻 現代におけるFortran
Fortranは、現在も以下のような分野で重要な役割を担っています。
- スーパーコンピュータでの大規模シミュレーション: 気象予報、気候変動予測、流体力学、プラズマ物理、航空宇宙工学、材料科学、構造解析など。
- 科学技術研究: 物理学、化学、天文学、地球科学などの分野における計算。
- 既存コードの活用: 長年にわたり開発・検証されてきた信頼性の高いコード資産が、今も多くの機関で利用されています。
- 他の言語との連携: PythonやC/C++など、他の言語からFortranで書かれた高速な計算ルーチンを呼び出して利用することも一般的です。
新しいプログラミング言語が登場する中でも、Fortranはその計算性能と信頼性から、特定の分野で確固たる地位を築いています。
💡 まとめ
Fortranは、数値計算と科学技術計算のために生まれ、その分野で圧倒的な強みを持つプログラミング言語です。長い歴史を持ちながらも、現代の要求に合わせて進化を続けており、特にパフォーマンスが重視される計算分野では欠かせない存在です。
この学習サイトを通して、Fortranの基礎から応用までを学び、そのパワーを体験してみましょう! 💪
📚 参考情報
- Fortran – Wikipedia: Fortranの概要や歴史についてさらに詳しく知りたい場合に参考になります。
- fortran-lang.org: モダンFortranの公式ウェブサイト(英語)です。最新情報、チュートリアル、コミュニティへのリンクなどがあります。
- GNU Fortran: オープンソースのFortranコンパイラであるgfortranの情報(英語)です。多くの環境で利用できます。