[COBOLのはじめ方] Part2: 開発環境の構築(OpenCOBOL / GnuCOBOL など)

開発環境の構築(OpenCOBOL / GnuCOBOL など)

COBOLプログラムを作成し、動かすためには、まずあなたのコンピュータに開発環境を準備する必要があります。ここでは、現在主流のオープンソースCOBOLコンパイラであるGnuCOBOL(旧称: OpenCOBOL)のインストール方法を中心に解説します。

GnuCOBOLを使えば、Windows、macOS、Linuxなど、様々なOSでCOBOLプログラミングを始めることができます。

GnuCOBOLのインストール

お使いのOSに合わせて、以下の手順でGnuCOBOLをインストールしましょう。

GnuCOBOLとは?

GnuCOBOLは、無料で利用できるオープンソースのCOBOLコンパイラです。標準的なCOBOL文法をサポートしており、学習用途から実務まで幅広く利用されています。以前はOpenCOBOLという名前でしたが、GNUプロジェクトの一部となりGnuCOBOLに名称変更されました。

Windowsの場合

WindowsでGnuCOBOLを利用するには、いくつかの方法があります。

  • プリコンパイルされたバイナリを利用する:
    有志によってコンパイル済みのGnuCOBOLが配布されていることがあります。これらをダウンロードして利用するのが比較的簡単です。
    GnuCOBOLの公式サイトや関連コミュニティで配布情報を探してみましょう。(例:SourceForgeのGnuCOBOLページなど)
    ※インストール手順は配布元によって異なる場合があります。
  • MSYS2 / MinGW を利用する:
    MSYS2(またはMinGW)というUnixライクな環境をWindows上に構築し、その中でGnuCOBOLをインストールする方法です。プログラミングに慣れている方向けですが、柔軟な環境構築が可能です。
    MSYS2をインストール後、以下のコマンドでGnuCOBOLをインストールできる場合があります(パッケージ名は異なることがあります)。
    pacman -S mingw-w64-x86_64-gnucobol
  • Cygwin を利用する:
    Cygwin も MSYS2 と同様に Windows 上で Unix ライクな環境を提供します。Cygwin のパッケージマネージャを通じて GnuCOBOL をインストールできます。

どの方法を選ぶかは、ご自身のPCスキルや目的に合わせて検討してください。初心者の方には、プリコンパイルされたバイナリを利用するのが手軽かもしれません。

macOSの場合

macOSでは、パッケージマネージャーの Homebrew を使うのが一般的です。

1. Homebrewがインストールされていない場合は、まず Homebrewの公式サイト の指示に従ってインストールします。

2. ターミナルを開き、以下のコマンドを実行してGnuCOBOLをインストールします。

brew install gnu-cobol

これだけでインストールが完了します。

Linuxの場合

多くのLinuxディストリビューションでは、標準のパッケージマネージャーを使って簡単にインストールできます。

  • Debian / Ubuntu系の場合:
    sudo apt update
    sudo apt install gnucobol
  • Fedora / RHEL / CentOS系の場合:
    sudo dnf install gnu-cobol
    または
    sudo yum install gnu-cobol

ディストリビューションによってはパッケージ名が若干異なる場合があります(例: `gnu-cobol` など)。`apt search gnucobol` や `dnf search gnucobol` で検索してみてください。

インストールの確認

インストールが正常に完了したか確認しましょう。ターミナル(Windowsの場合はコマンドプロンプトやPowerShell)を開き、以下のコマンドを入力します。

cobc --version

以下のように、GnuCOBOLのバージョン情報が表示されれば成功です

cobc (GnuCOBOL) 3.1.2.0
Copyright (C) 2020 Free Software Foundation, Inc.
License GPLv3+: GNU GPL version 3 or later <https://gnu.org/licenses/gpl.html>
This is free software; see the source for copying conditions.  There is NO
warranty; not even for MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.
Written by Keisuke Nishida, Roger While, Ron Norman, Simon Sobisch, Edward Hart
Built     Sep 06 2021 19:34:00
Packaged  Dec 23 2020 12:04:58 UTC
C version "11.2.0"

(表示されるバージョンや日付は、インストールしたものによって異なります)

もしコマンドが見つからない旨のエラーが出る場合は、インストールが失敗しているか、環境変数PATHの設定が必要な場合があります。各OSでのPATH設定方法を調べてみてください。

テキストエディタの準備

COBOLプログラムを書くために、テキストエディタが必要です。どのエディタでも構いませんが、コードが見やすくなるシンタックスハイライト(文法に応じた色付け)機能があるものがおすすめです。

  • Visual Studio Code (VS Code): 無料で高機能。多くの拡張機能があり、COBOL用の拡張機能も存在します。初心者にもおすすめです。
    Visual Studio Code
  • Notepad++: Windows向けの軽量な無料エディタ。
  • Vim / Emacs: CUIベースの強力なエディタ。
  • その他、Sublime Text, Atom など。

まずは使い慣れたエディタがあれば、それを使って構いません。VS Codeを利用する場合は、拡張機能マーケットプレイスで “COBOL” と検索し、評価の高い拡張機能をインストールすると良いでしょう。

まとめ

これでCOBOLプログラムを作成し、コンパイルする準備が整いました! GnuCOBOLコンパイラとテキストエディタがあれば、COBOLプログラミングの世界に飛び込めます。

次のステップでは、いよいよ最初のCOBOLプログラム「Hello, world」を作成していきます。

参考情報

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